切削加工の未来を切り開く「刻印サービス」
機械部品の調達において、迅速さや正確さが求められる現代。株式会社ミスミグループ本社が展開するAIプラットフォーム「meviy」は、2025年11月17日から新たに切削加工の丸物部品向けに刻印サービスを始めます。このサービスにより、型番や社内管理番号といった識別情報を部品に刻印できるようになります。
背景と必要性
製造業では、部品の種類が増える中、特に装置や設備に用いる部品の識別が大きな課題となっています。設計者と現場の担当者間で情報を共有する際、多くの時間が取られてしまうことも少なくありません。このような状況で、部品を素早く特定し、再発注をスムーズに行うためには、情報の明確化が不可欠です。
例えば、部品を組み立てる際や、メンテナンス時に必要な部品を特定するとき、刻印が施されていることでそのプロセスが大幅に効率化されます。識別性の向上はもちろん、誤使用を防ぐ手段にもなるため、記録や品質管理の一助ともなります。捉え方によっては、これまでは労力と時間をかけた作業が、刻印を施すことで迅速に済むのです。
これまでmeviyは、切削加工の角物や板金加工において刻印サービスを提供してきましたが、「切削丸物部品でも同様のサービスがほしい」との声が多数寄せられていました。その結果、円筒面にも対応したシステムが開発され、今回のサービス提供が実現しました。
新サービスの詳細
新たに提供される刻印サービスでは、平面だけでなく円筒の面にも型番などの情報が刻印可能。これにより、部品の検査や組立が格段にスムーズになることが期待されています。特に、直径を示す「ø(ファイ)」記号などの使用も可能となるため、細かなニーズにも対応できます。
納期は最短で6日目の出荷が可能です。また、金属材質に対応しており、表面処理や熱処理を施された材質でも利用できるため、多様なニーズに応える柔軟性があります。
さらに、リピート発注を行う場合、従来のように図面を探す手間が省けます。刻印された型番や番号を部品で直接確認できるため、素早く部品を特定・発注することができます。この結果、オーダー時の認識ミスを防ぎ、生産ラインの流れを妨げることなく作業を進められるのです。
未来を見据えたサービスの展開
「meviy」は、今後も設計や製造現場の声を基にサービスを進化させていく方針です。AIが自動見積もりを行い、部品調達に関わる業務の9割以上を効率化するこのプラットフォームは、製造業の生産性向上に寄与し続けるでしょう。
ミスミグループは、デジタル技術の進展を駆使してものづくりの未来を切り開いています。「得ミスミ、楽ミスミ」という理念のもと、設計や生産のプロセスを一新し、顧客の業務をより創造的なものに変革することを目指しています。
結論
刻印サービスの開始は、製造現場における効率化や情報共有の課題を解決する一助となります。meviyが提供するこの新しい機能を活用することで、ますます複雑化する部品管理の煩雑さを解消し、よりスムーズな生産工程を実現していきましょう。