聴覚障害者向け緊急通知音振動変換アプリ「D-HELO」が登場
岡山大学と情報技術開発株式会社(tdi)による共同開発の成果、聴覚障害者向け緊急通知音振動変換アプリ「D-HELO(ディー・ヒーロー)」が、Apple Watchユーザー向けにリリースされました。このアプリは、災害時や緊急時の情報提供において、聴覚障害者の生活を大きく支援することを目的としています。
開発の背景
本アプリの開発は、1950年の岡山盲聾学校での火災によって多くの命が失われた事故に端を発し、聴覚障害者が抱える情報バリアを軽減するための努力の一環です。現代においても、聴覚障害者の方々は災害時に適切な避難行動を取れない場合が多いのが現状。そこで、リアルタイムで緊急情報を入手できる手段を提供し、より安全で安心な社会を目指しているのです。
アプリの機能
「D-HELO」は、緊急車両のサイレン音を識別し、その音を振動と画面表示に変換することができます。これにより、聴覚障害者も緊急事態に即座に反応できるようになります。また、一般向けにアプリが公開される際には、聴覚障害者との検証実験を通じて得たフィードバックを基に改良を重ねたとのこと。
実証実験とその成果
2023年度には、岡山県と岩手県で40人の聴覚障害者を対象に実証実験が行われ、アプリの音の感知精度や使用感が確認されました。開発には日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けており、3年間の調査・研究を経て実施されました。
開発チームの思い
岡山大学病院聴覚支援センターの片岡祐子准教授は、「D-HELO」を開発した背景として、災害時に聴覚障害者が第一報を聞き逃さないことがどれほど重要かを強調しています。彼女は当初の苦労や課題をつぶさに振り返りつつ、実際のユーザーからの期待が開発の大きな推進力になったと述べています。
利用方法
このアプリは2025年3月27日から一般向けに無料でダウンロード可能で、より多くの人々に利用してもらうことを目指しています。さらにユーザーからの意見を反映させ、アプリの改善を続けていく方針です。
未来への展望
「D-HELO」は、災害発生時だけでなく日常生活の安全性や安心感を向上させるために開発されています。今後も岡山大学は地域社会のニーズに応える研究を促進し、バリアのない社会に向けた努力を続けていくことでしょう。
もしあなたがApple Watchをお持ちであれば、ぜひ「D-HELO」をダウンロードし、安全な暮らしの実現に貢献してみませんか?
公式ウェブサイト
アプリに関する詳しい情報やダウンロードは、
D-HELO公式サイトをご覧ください。