看護の日と在宅医療
2025-05-12 10:45:35

看護の日に考える高齢者のための在宅医療の実現と挑戦

5月12日は看護の日に考える高齢者のための在宅医療の実現と挑戦



日本の高齢化率は年々進行しており、2023年の時点で29.56%と世界平均を大きく上回っています。特に地方においては、この問題は顕著で、医療資源の不足が深刻な課題として取り上げられています。そこで、株式会社eWeLLが推進する「いなかんご」プロジェクトに注目が集まっています。このプロジェクトは、医療過疎地で高齢者が住み慣れた地域で最期を迎えられるような仕組みを提供するものです。

日本の高齢化の実状


日本の地方部は特に高齢化が進んでいます。46都道府県中36道県では高齢化率が30%を超え、無医地区の存在や医療格差が深刻化しています。内閣府の調査では、60歳以上の51%の人が「最期は自宅で迎えたい」と考えています。こうした状況の中、このプロジェクトは高齢者の願いを叶えるために踏み出しました。

「いなかんご」プロジェクトの誕生


三重県伊賀市の大山田地域は、医療施設が少ないため、特に高齢化が進んでいます。この地域に「ななーる訪問看護ステーション」が開業されたのは2024年1月です。このステーションは、地域住民との信頼関係を築きながら、訪問看護を通じて医療を提供していくことを理念としています。開業当初は「よそ者」としての警戒心もあったものの、地元出身の看護師を採用し、地域の行事に積極的に参加することで、少しずつ信頼関係を築いていきました。

地域全体を支える取り組み


「いなかんご」プロジェクトでは、健康相談を行う「村の保健室」や「認知症カフェ」を設け、住民が気軽に相談できる場を提供しました。年末には初めての看取りも行い、その経験をもとに24時間対応体制を強化した結果、より深い信頼を得ることができました。開業から1年が経過する2025年1月には、訪問件数が200件を超え、多くの住民と家族のような関係を築くことに成功しました。

ICTによる支援の強化


このプロジェクトの特徴の一つは、ICTを利用した遠隔サポート体制です。大阪本社から離れた地域の看護師は、さまざまなICTツールを駆使して業務管理を行っています。訪問看護専用電子カルテ「iBow」を活用することで、リアルタイムでカルテや患者情報を共有し、看護師は本来のケアに専念できる環境を整えています。また、本部も現場の情報を把握できるため、看護師の精神的な孤立を防ぐ体制が整っています。

未来の展望


「いなかんご」プロジェクトの横山さんは、「最期まで大好きな場所や人と暮らし続けられる、それを当たり前にすることが目標です」と語ります。今後は、地域包括ケアのシステムを他の医療過疎地にも展開し、持続可能な運営体制の構築を目指しています。地域支援の理念のもと、医療問題の解決に貢献することを目指しています。

私たちが今、向き合うべきは地域の福祉と医療との両面にわたる問題であり、「いなかんご」プロジェクトのような取り組みが、日本全体で重要なモデルケースになることが期待されています。


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