永守コレクションギャラリー二周年記念イベント
2023年3月27日、大阪に位置する永守コレクションギャラリーは、その開館二周年を祝う特別イベントを実施しました。世界屈指のコレクションとして知られる同ギャラリーには、1800年代のアンティークオルゴールや、今なおその機能を失わないアート的なオートマタ(からくり人形)が350点以上所蔵されています。
この日は著名なファッションデザイナー、コシノジュンコ氏と、永守重信理事長のスペシャルトークショーが行われました。トークショーでは「100年以上の時を超えて今に受け継ぎ次世代に継承する“ファッション”と“技術”」をテーマに両者が意見を交わしました。永守氏は、自身の幼少期にオルゴールに触れた経験から、「本物を体験することで生まれる憧れは、夢を追い続ける力になる」と力強く語りました。そして、デジタル化が進む中で、アナログの音の重要性を訴え、オルゴールの魅力をもっと広めたいとの思いを明かしました。
一方、コシノ氏は、彼女の作品が日本の伝統を基にしている事を強調し、「パリコレクションで感じた日本文化の可能性」と、次世代に向けたメッセージを発信しました。「自分が本当に好きなことを見つけることが、情熱を持って邁進する鍵」と語り、参加者へ希望の言葉を送りました。
新たな挑戦:リプロダクション事業
また、この特別イベントでは、昨年末にスタートした「リプロダクション事業」が紹介されました。これは、精密技術と美術が融合したオートマタを、未来の世代へ繋げる重要な取り組みです。当日、披露されたのは「ワルツを踊る少女」という作品で、来場者からはその奇妙な美しさに驚嘆の声が上がっていました。リプロダクション事業の詳細については、
公式ウェブサイトをご確認ください。
春の特別展「ラヂオの詩」
永守コレクションギャラリーでは、2025年3月21日から5月27日まで春の特別展「ラヂオの詩~谷川俊太郎コレクション~」が行われます。この展覧会は、日本国内でラジオ放送が開始されてから100周年を迎えることを記念したものです。詩人、谷川俊太郎氏が愛したラジオコレクションが展示され、オルゴールから蓄音機、そしてラジオへの歴史的変遷が紹介されます。新たな素材や独自のデザインを用いたラジオの名品が並び、その背後には谷川氏の詩も展示される予定です。
さらに、関連イベントとして、ピアノコンサートや特別展ギャラリートーク、ワークショップ(ラジオをデザインしよう!)など多彩なプログラムが用意されています。また、自動からくり人形にちなんだ衣装を着て撮影できるフォトスポットも、来場者に人気を集めそうです。
永守コレクションギャラリーの魅力
永守文化記念財団は、オルゴールやその関連技術の歴史的および社会的価値を紹介する目的で設立されました。永守コレクションギャラリーは、音楽史や美術史上貴重なコレクションを持つ体験型施設です。訪れる人々は、実際にオルゴールの演奏やオートマタのデモを通じて、その魅力を五感で感じることができます。また、収蔵室の見学やマイスター工房によるコレクションの保守・修復も体験できる貴重な機会です。
この特別なイベントを通じて多くの人々が、古き良き時代の道具や文化に触れ、未来へと繋げることができることを期待しています。大阪の永守コレクションギャラリーで、あなたも歴史と技術の深い海に浸ってみてはいかがでしょうか。