大阪発の次世代AI技術がコンクリート発注を革新
2025年、NTTドコモソリューションズ株式会社と株式会社奥村組が共同で開発した、コンクリート打設工事に特化したAIモデルが注目されています。このAIは、画像認識技術を利用してコンクリートの未打設領域を自動で算出します。
AIによる自動判定
従来、コンクリート発注数量の算出は専門のスタッフによる手作業に依存していました。これには計測ミスや判断のばらつきが生じるリスクがあり、現場の生産性を低下させる要因ともなっていました。しかし、本AIモデルでは、特定の条件下で97.5%以上の精度で未打設範囲を確認することができ、実用レベルの高い判定精度を実現しました。これにより、現場での作業の手間を大幅に削減し、効率化を図ることが可能になります。
現場の課題を解決する技術
建設業界では、2024年から時間外労働の上限規制が導入され、業務の生産性向上が求められています。同時に、コンクリート打設時に発生する残コンクリートや戻りコンクリートがコストや環境に与える影響も無視できません。これらの課題を解決するために、NTTドコモソリューションズは画像認識分野での実績を生かし、奥村組の豊富なコンクリート打設経験を融合させ、本AIモデルを築き上げました。
技術検証の結果
今回の技術検証では、2024年12月から2025年5月までの期間に、実際の建設現場で撮影した画像を元に未打設領域の判定が行われました。その結果、AIモデルは、荷重のかかる状態でも高精度な判定を行う能力を持つことが確認され、コンクリート発注の自動化に向けた道が開かれました。特に、機材や人物が映り込んだ画像でも同様の精度で判定できることが評価されています。
次なるステップ
今後、両社はこのAI技術を活用した新たなサービスの開発を進めていきます。具体的には、実際の現場での運用実証を通じて、発注数量の算出精度や作業工数の低減効果の確認を進めていきます。また、現場の利用者からのフィードバックを重視し、ニーズに即したサービスの実現を目指します。この新サービスは、NTTドコモソリューションズの「ゼネコンコラボ®」の一部として2025年度中の提供を予定しています。
結論
AIを用いたコンクリート発注システムは、建設業界の生産性向上や環境負荷の軽減に寄与する革新的な技術です。NTTドコモソリューションズと奥村組が共に成し遂げたこのプロジェクトは、今後の建設業の新たなスタンダードとして期待されます。これからの展開に目が離せません!