地域のお産を支えるファミール産院ありだの誕生とその後の活動
皆さま、地域のお産の灯を絶やさない取り組み「ファミール産院ありだ」が、誕生してから1年の歩みを迎えました。この産院は、2024年に有田市とその近隣地域で生まれる分娩機能の消滅を乗り越えるために作られた場所です。岡山県の積水ハウスを中心に、有田市や地域の専門家が協力して生まれたこの産院は、地域住民が安心して出産を迎えられる環境を提供しています。
この取り組みは、先日「第19回キッズデザイン賞」でこども政策担当大臣賞を受賞しました。官民一体となったプロジェクトは、地域や大学との連携を深め、産院を核にしたコミュニティの形成を目指しています。審査員からは、開院後に152名の赤ちゃんが誕生し、多くの雇用を生み出した点が高く評価されました。少子化問題への真摯な取り組みは、地域の活性化につながるとして注目されています。
実際に地域での出産を体験した多くのママたちからは、「地元で出産する安心感があった」との声や、「夫が協力的になった」との感想が寄せられています。これらの声は、地域のつながりの大切さを再確認させてくれます。日本全国で消滅可能性のある地域は約40%とされていますが、ファミール産院ありだの経験が、全国の同様の課題を抱える地域にとっての解決策となることを期待されています。
積水ハウスの地方創生戦略部に所属する佐藤氏は、「プロジェクトが進むにつれ、関係者が増えてきた」と話します。最初は行政との協力から始まり、現在は地域全体の子育て環境を支援する仕組みが整いつつあります。特に、子育てに関心を持つママたちが横のつながりを持てるような場が求められており、新たな居場所の創出が課題として残されています。
「ファミール産院ありだ」は、近隣にある公民館とも連携し、地域の人々が集い、コミュニケーションを深める場としての役割を果たしています。これにより、産院を中心としたコミュニティがますます強化されています。定期的に開催されるワークショップやイベント、例えば「つながる育フェス」では、近畿大学の学生らが中心となり、地域の子育て世代と出産を控えたママたちをつなげています。
今後の目標は、地域の自走力を高め、集まる仲間たちと共に新たな価値を創造することです。「建物を作るだけではなく、新しい居場所を形成することが重要です」と佐藤は語ります。このように、産院の役割は単なる医療機関にとどまらず、地域コミュニティを強化するための基盤ともなっています。
また、産院で行われる外来ケアやイベントでは、ママたちが気軽に相談できる環境が整っており、助産師との対話を通じて子育てに関する知識を深めることもできます。多くのママたちが参加する忘年会や地域行事も盛況で、そこで生まれる絆は地域に根ざした温かいコミュニティを築いています。
このような取り組みを通じて、ファミール産院ありだは、地域の人々にとって本当に必要とされる施設となることを目指しています。」
今後も地域と連携し、さらなる取り組みを展開しながら、健やかな成長を支援していくファミール産院ありだの活動に、ぜひ注目してください。