世界のITエンジニア数が初めて3000万人を突破
ヒューマンリソシア株式会社が発表した「2025年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.17」によると、世界的にITエンジニアの数は3,023.2万人に達し、初めて3000万人を超えました。これは2020年の調査開始以来の成果で、国別に見るとインドが圧倒的なリードを維持し、現状を牽引しています。
インドがITエンジニア数でトップ
インドは499.6万人のITエンジニアを抱え、米国や中国との差を広げています。米国は439.9万人で2位、中国は342.0万人の3位です。この上位3カ国で世界のITエンジニアの約40%を占めています。日本は154.0万人で4位を死守していますが、その供給に関する課題も明らかになりました。
日本の供給力に懸念
日本のITエンジニア数は前年比6.9%増と成長を続けていますが、それに対するIT分野の卒業者数は平均して2.2%の低い伸びにとどまっています。これはG7諸国の中で最も低い数字であり、今後の人材不足を懸念させる要因です。専門的な教育を受けた人材の育成が追いつかない状況が続いているため、企業は専門外からの新卒や異業種からの採用に依存せざるを得なくなっています。
現状の教育と人材流動
日本のIT卒業者数は多くても、増加率は低いのが現実です。これに対して、米国では年間25.1万人ものIT卒業者を輩出し、その年平均伸び率は8.8%に達しています。ちなみに、インドは年平均5.7%の増加率があり、2022年には約55.9万人のIT卒業者を生み出しました。この結果が示すのは、日本のIT人材育成が今後のデジタル需要に対しての供給能力に大きな影響を与えるということです。
地政学的な背景とIT人材流動
東欧諸国では、スロバキアやポーランドが大幅にITエンジニア数を増加させた背景には、地政学的な要因があるとされます。ウクライナ戦争の影響で、多くの企業が教育機関の人材やIT拠点を近隣国に移転した結果、これらの国でIT人材流入が加速しました。このような状況は、ビジネスにおける柔軟性や適応力が求められる時代において重要な要素といえるでしょう。
日本の進むべき道
日本が今後のITエンジニア需要に応えるためには、リスキリング(再教育)の推進に加え、海外のIT人材の活用が不可欠です。少子化が進行する中で、優れた技術力をもった人材を育成するためのシステム構築が求められています。今後のIT業界の発展には、これらの課題克服が必要不可欠です。
結論
世界のITエンジニア数は急速に伸び、特にインドがその中心となっています。日本も成長はしているものの、教育機関からの卒業生の供給率が低く、今後の持続的な成長を考えると大きな課題を抱えています。これらの状況に対応するために、日本の企業はより多様な人材活用へのシフトが求められています。