消防活動を変革する新技術—ドローン活用の最前線と未来展望
大阪に本社を置くモリタホールディングスが主導する消防活動におけるドローン技術の研究開発が、今、注目を集めています。この取り組みは、総務省消防庁が公募した「令和7年度消防防災科学技術研究推進制度」の助成を受けて進行しており、同社だけでなく多くの研究機関や消防組織の協力を得ています。
背景と目的
令和6年に発生した能登半島地震によって、輪島市での大規模火災が発生しました。この事例において、津波警報が発令されている浸水想定区域での消防活動が特に困難であることが浮き彫りとなりました。ドローン技術を活用することで、安全を確保しつつ、より効果的に消火活動を実施できる手段の構築が求められています。この背景が本研究の重要性を高めています。
初年度の成果
本研究では、既存のドローン技術を消防車両や資機材と組み合わせる新たな消火戦略の開発を目指しています。初年度には、 モリタホールディングスが持つ消火・放水の技術を基に、ドローンを利用した放水活動に必要な条件を検証しました。具体的には、ドローンの重量、反動力、通信技術といった要件の確認を行いました。
実際には、大阪府に本社を置く株式会社エクセディのドローンを用い、火災を想定した条件下での飛行放水実験を実施しました。この実験により、安定した放水技術の可能性と、モリタの圧縮空気泡消火システム(CAFS)がドローンによる消火において高い効果を発揮することが確認されました。実験の様子は
こちらの動画でご覧いただけます。
CAFSは、水に消火薬剤を混合し、圧縮空気を送り込むことによって生成される泡で、これにより表面積を拡大し、効率的な消火を可能にします。
今後の展開
二年目となる令和8年度には、実践的な運用を目指した検証フェーズに移行します。これまでの成果を元に、より効果的な消火戦略を確立し、災害現場での迅速かつ安全な消火活動を実現することが目指されています。
モリタグループは、「安心」を支える技術と持続可能な未来を創るための挑戦を続けていくとしています。
研究内容と体制
この研究は、総務省消防庁の「消防防災科学技術研究推進制度」に基づいて実施されており、登場する研究機関には株式会社モリタホールディングスをはじめ、株式会社モリタ、奈良先端科学技術大学院大学、豊橋技術科学大学、大阪市消防局と多岐にわたる協力者が参加しています。
今後の進展が期待されるこの新技術が、消防活動にどのような変革をもたらすのか、地域の安全を守るための取り組みに注目が集まります。