103万円の壁引き上げがもたらす新たな働き方とは？300名の実態調査結果から見えた変化

103万円の壁引き上げがもたらす新たな働き方とは？

エフアンドエムネット株式会社が実施した調査によると、2025年から『103万円の壁』が最大160万円に引き上げられることが影響を与えることが予想されます。この調査では、年収103万円以下で働く男女300名を対象に、どのように働き方が変わるのかを探りました。以下、その結果と今後の展望を見てみましょう。

調査の背景と目的

所得税の支払いが発生するボーダーラインである『103万円の壁』が引き上げられることにより、年収103万円以下の方々の働き方や意識がどのように変化するのかを理解することが重要です。調査結果は、今後の働き方の指針となる可能性があります。

調査結果の概要

1. 103万円の壁を意識して働く人

調査では、57.7%が「はい」と回答し、103万円の壁を意識していることがわかりました。特に、勤務日数や労働時間を調整する人が43.9%に達し、自身の収入管理に敏感になっています。これにより、年収103万円を超えないように努める傾向が見られました。

2. 引き上げについての認知度

調査対象者の74.3%が、103万円の壁が160万円に引き上げられることを知っていると答えました。この認知度は高いものの、引き上げによる影響を「十分に理解している」と答えたのはわずか8.3%であり、依然として詳細な理解が不足していることが明らかになりました。

3. 制度に対する感じ方

引き上げによって「制度が複雑になった」と感じる人が25.7%おり、また「収入が増えると思う」という期待を持つ人も24.3%に達しました。これにより、収入アップに対する期待感が混在していることがわかります。

今後の働き方と年収

多くの人が今後の働き方をどう変えるつもりか問いかけると、19.7%が「まだわからない」と答え、自由な働き方を維持する意見も見られました。また、現状を維持しつつ年収を少し増やす意向を持つ人が37.0%に達しました。

年収の増加については、24.4%が「できる範囲で増やしたい」と答え、具体的な目標に向かって動くよりも、徐々に副収入を狙う方向に関心が向いていることも影響しているようです。

企業への提言

103万円から160万円に引き上げに伴い、労働者に適切な情報を提供することが求められます。年収の壁が複雑に絡み合う中、企業は従業員に対してその影響や働き方の選択肢について周知徹底する必要があります。これにより、従業員自身が適切な判断を下し、安心して働ける環境づくりが進むでしょう。

まとめ

この調査結果から見えてきたのは、多くの方が103万円の壁を意識しつつ、将来の働き方や年収の目標について考えているということです。同時に、所得税や社会保険制度の複雑さが、不安を引き起こしていることも明らかになりました。今後、労務SEARCHでは引き続き、こうした調査を通じて、管理部門の方々に有益な情報を提供してまいります。