SaaS企業におけるシステム停止リスクとBCPの重要性
株式会社ISOプロが行った調査によれば、最近のSaaS(Software as a Service)企業は、システム停止によるリスクが高まっていることを意識しています。特に、自然災害やサイバー攻撃といった脅威はその顕著な例であり、多くの企業がBCP(事業継続計画)の策定を急務としています。
1. 調査概要
本調査は2026年8月に実施され、対象は自社開発のBtoB向けSaaS・クラウドサービスを提供する企業の経営者や役員、システム運用責任者たちです。合計1,021人の回答を得た結果、多くのSaaS企業がシステム停止への危機感を持っています。
2. システム停止リスクの意識
企業の約58%が、サイバー攻撃(例:ランサムウェアやDDoS攻撃)を主なリスク要因として挙げています。次に多かったのが大規模な自然災害(約50%)、そして気象による災害(約43%)です。これらの結果は、近年急増している浸水や大雨といった気象災害の影響を反映しています。このことから、SaaS企業は様々な形でリスクに備える必要が伝わっています。
3. BCP策定の現状
調査によると、ISO27001の取得率は78%と高くなっていますが、BCPの策定はまだまだ進んでいないという現実もあります。実際、BCPを策定済みの企業は全体の45%にとどまり、まだ半分以上の企業がBCPを策定していません。しかし、約9割が今後の策定に向けた意志を示しているものの、リソース不足が主な障壁になっている点が課題です。
4. BCP策定の目的
BCPを策定した企業の多くは、損害賠償請求や顧客からの信頼喪失を避けるために策定を進めています。特に、SLA(サービスレベルアグリーメント)の遵守が重要視されており、それに基づく責任を果たすことが最優先事項として捉えられています。これにより、顧客企業に対して信頼性を維持するための計画が求められています。
5. 課題認識
BCPを策定済みの企業の中でも、システム復旧手順は整備されていても、組織的な対応にはまだ課題が残っていることが明らかになっています。「災害時の顧客サポート維持」や「被災時の代替要員確保」など、人的面での対応に問題を抱える企業が多いことがわかります。また、BCPの定期更新や訓練の不足も挙げられ、実効性ある運用が求められています。
6. BCP運用の促進策
調査結果として、BCPを有効的に運用するために、ISO22301の導入や外部コンサルの活用が推奨されています。これにより、迅速かつ整然とした組織運営を実現できる姿が期待されています。特に、変動の多いSaaS業界では、しっかりとした運用体制の構築が企業の持続可能性に大きく寄与するでしょう。
結論
BCPの重要性が再認識されつつある中、SaaS企業はその運用を今一度見直す必要があります。災害や脅威からの迅速な対応こそが、顧客との信頼関係を維持し、さらなる事業成長につながるのです。今後のBCP策定や運用の状況を注視していく必要があります。