災害時にペットと安心して避難できる社会へ
災害時、ペットを連れて避難することができる社会が求められる中、2023年7月に始動した「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」。この取り組みのアンバサダーである歌手の伍代夏子氏が、8月30日から31日まで開催された「もしもFES2025」にて、「ペットとの避難を考える」というテーマでステージに立ち、同室避難の重要性を訴えました。
プロジェクトの背景
伍代氏は、避難所への立ち入りに関する課題に多くの飼い主が直面していることを指摘。そのきっかけとなったのは、被災地で出会った短パンと草履姿の若い女性が、愛犬と外で待機させられた話でした。彼女は、避難所がペットを受け入れないために、外で寒さに耐えながら過ごすしかない状況に置かれていたのです。
「災害時には、道路が機能している避難所には多くのサポートがある一方で、孤立している集落には対策が行き届かないことが多い。このような状況を受け、ペットと一緒に避難できる社会を作る必要があると感じました」と伍代氏は強調します。
飼い主の意識改革
プロジェクトは、ペット同室避難に必要な飼い主の意識改革にも力を入れていきます。伍代氏は、「動物アレルギーがある方もいるため、快適に過ごすためのルール作りが重要です」と述べ、事前に必要な予防接種やトレーニング、非常時の備えを行うことを呼びかけました。
渋谷区副区長の杉浦氏も、「専門学校と連携し、ペットが快適に過ごせるような環境作りに努めている」と語り、行政の取り組みも重要であると提唱。
準備の重要性
また、同じステージに出演したどろだんご氏は、「子供たちにも自分の備えとともに、ペットや他の人々への配慮を教えることが重要」と強調。避難所に豆知識として、非常時には自宅で3日間過ごせるだけの備蓄をすること、実際に非常用トイレを使用してみることを提案しました。
人に優しいプロジェクトに
「同室避難は多くの課題があるが、ペットを家族と思う人々のために、理解と調和を図るプロジェクトにしていきたい」と伍代氏は語ります。これからも、ペット同室避難の普及を目指し、地域の愛犬家や行政との連携を続けていく意向を示しました。
動物愛護週間イベントの開催
さらに、動物愛護週間に合わせて「Wan Dream Garden〜保護犬猫と人の幸せな暮らし方〜」というイベントを開催することも発表されました。このイベントでは、トークショーやふれあい会、展示を通じて、保護犬や猫と人々の新たな関係を考えるきっかけを提供します。
「もしもFES2025」開催概要
「もしもFES2025」は、代々木公園イベント広場で、8月30日から31日まで開催されました。著名なゲストたちが参加し、さまざまな防災に関する講演が行われた中で、伍代夏子氏のトークが特に注目を集めました。こうした取り組みが広がり、ペット同室避難が当たり前の社会の実現が待たれます。