介護家族の負担感軽減に向けたおむつに関する調査結果を発表

介護が必要な方の日常生活を支えることは、時に非常に大きな負担となります。特に排泄の介助における負担感は、食事や入浴の介助に比べて手間がかかると多くの介護家族が感じていることが、最近の調査で明らかになりました。株式会社エス・エム・エスは「安心介護」と「ケアマネドットコム」会員を対象に、新たなおむつに関する意識調査を行い、その結果を発表しました。

調査の概要

調査は2025年5月に行い、介護家族340名とケアマネジャー420名が参加しました。主な結果として、排泄の介助における負担感が浮き彫りになりました。具体的には、昼間と夜間を通じて3人に1人が負担を感じているとのことです。特に夜間の排泄介助に関してはなんと60％以上の介護家族が強い負担感を抱えているという現状が報告されています。

課題の主なポイント

この調査では、おむつの利用に関する問題が複数の項目で明らかとなりました。特に「コスト負担」と「尿や便が漏れる」という悩みが同率で51.1％と、最も多く挙げられました。また、47.7％が「においの問題」を指摘しており、経済面と生活環境に対する課題が明白となりました。また、多くの介護家族が「どのタイプのおむつが良いかわからない」と回答しており、選択に迷っている状況が顕著になりました。

ケアマネジャーの視点

ケアマネジャーへの調査からも、興味深い結果が得られました。おむつの導入に際して被介護者が拒否することが「時々ある」と答えた割合は33.6％で、ケアマネジャーは被介護者が抱える心理的な負担にも注意を払っています。「恥ずかしい」や「情けない」と感じる心理が、抵抗感を生む一因であることも指摘されました。

デザインの重要性

さらに、42.1％のケアマネジャーが、商品の見た目が理由でおむつを導入することを嫌がられた経験があると述べています。多くのケアマネジャーは、デザインが被介護者の心理的抵抗を軽減する可能性があると感じており、実際に商品提案時には「見た目」にも配慮が必要だと示唆しています。ただし、実際に「デザイン」を重視した提案は5.7％にとどまっており、その認識と現実のギャップが浮かび上がります。

認知度調査

ブランドに関する認知度は、介護家族とケアマネジャーで共通の結果が見られました。ユニ・チャームの「ライフリー」が最も知られており、続いて大王製紙の「アテント」が名前を挙げられました。このデータは、介護家族やケアマネジャーがどのブランドに対しての信頼感を持っているかを示す重要な指標となります。

まとめ

この調査結果は、超高齢社会が進行する中で、介護サービスにおける物品選びが如何に重要であるかを再認識させるものです。介護家族のニーズに応えるためには、より利用しやすい介護用品の開発や、介助者と被介護者が共感しやすい商品デザインが求められています。これからの介護環境において、各業界の関連企業はこの調査結果を踏まえ、より良い製品作りに貢献していくことが期待されます。