田辺市で実施！ライドシェアを活用した観光交通の新たな試み

和歌山県田辺市が、観光シーズンの交通問題に対応するため、公共ライドシェアサービスの実証運行を2025年11月1日より開始します。この取り組みは、交通空白の解消や移動の活性化を目指しており、観光業界にとって大きな意味を持ちます。

地域交通の現状と課題

日本全国の地方都市では、自治体の財政状況や人手不足が影響し、地域の交通サービスが十分に維持できない状況が続いています。田辺市も例外ではなく、観光シーズンに突入すると、既存の交通インフラでは観光客の需要を満たすことが難しくなります。特に、本宮地区は熊野本宮大社や熊野古道など多くの観光名所を抱え、観光客の急増による「オーバーツーリズム」の問題が深刻化しています。

たとえば、2024年には本宮地区の外国人宿泊客数が前年比1.66倍の44,540人に達すると予想されており、この流れには地域のインフラが追いついていないのが現状です。

公共ライドシェア導入の背景

このような課題を解決するため、オムロンソーシアルソリューションズ株式会社（OSS）が実施する公共ライドシェアサービス「meemo」が注目されています。OSSは過去60年間、公共交通ソリューションを提供してきた経験を生かし、田辺市における移動の利便性を高めるための実証運行に取り組むことになりました。

実証運行の内容

実証運行では、朝の時間帯に定時運行を行う乗合バスを追加し、夕方には地元の運転手が運転する10人乗りのレンタカーを利用したライドシェアが行われます。このほかにも、外国人観光客に向けて多言語対応のバス案内板やパンフレットを設置し、利便性を向上させます。

このように、田辺市を訪れる観光客に対して、より快適で便利な移動を提供することが目指されています。また、この取り組みを通じて収集したデータは、今後の地域交通施策に活用される予定です。