CBC制作『僕と時々もう1人の僕』がアメリカで銀賞を受賞!
2025年5月、アメリカ・ロサンゼルスで行われた国際メディアコンクール「USインターナショナルアワード」で、CBCテレビ制作のドキュメンタリー番組「僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる」が銀賞を受賞しました。この番組は、世界の映像作品の質を見極める国際的な舞台で光を放ち、視聴者に深い感動を与えました。
番組の背景
このドキュメンタリーの取材は、2022年の初めに始まりました。ある日のこと、記者が仕事を終えて自宅で寛いでいると、出前を運ぶウーバー配達員がやってきました。彼はトゥレット症という難病を抱えた男性で、自らの状態をわかりやすく説明するために、アプリ内で「身体の動きや声が出てしまうことがあるが許してほしい」とメッセージを送ってきました。それが、取材のきっかけになったのです。
トゥレット症は、意思に反して声や体が動いてしまう「チック」という症状を持つ病気です。この病は140年前にフランスの神経科医によって初めて報告されましたが、現在でも効果的な治療法が確立されていません。取材を通して、全国に多くのトゥレット症患者が存在することがわかりました。実際には、1000人中3~8人がこの病に苦しんでいると言われており、その多くは人目を気にして自宅に籠もりがちです。
取材の内容
記者は、トゥレット症というミステリアスな病と日々闘いながら自立を目指す若者たちの姿を追いました。彼らの背後には、日常生活における葛藤や苦しみが描かれています。自分自身を受け入れ、他者と共生するために奮闘する姿勢には、思わず心が熱くなるものがあります。
また、この番組は第61回ギャラクシー賞選奨も受賞しています。取材活動の継続を評価され、2024年には日本民間放送連盟賞特別表彰「放送と公共性」において優秀賞を獲得。また、劇場版も公開され、令和7年児童福祉文化賞を受賞するなど、その足跡は確かなものです。
まとめ
今回の受賞は、番組を制作したCBCテレビの報道部が、リアルな社会問題に真摯に向き合っている証拠です。トゥレット症は決して特別な病気ではなく、自分自身や他者を理解するための一助となるべきものです。視聴者に貴重なメッセージを届けたこの番組は、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。ぜひ、公式サイトでその詳細をご確認ください。
番組HPはこちら
取材:柳瀬晴貴(CBCテレビ)
構成・統括:大園康志(CBCテレビ)
制作:CBCテレビ報道部