デヴィッド・ボウイのミュージカル『LAZARUS』日本初演に向けた特別イベント
伝説のロックスター、デヴィッド・ボウイの遺作であるミュージカル『LAZARUS』が、いよいよ日本初演を迎えます。2025年5月31日から6月14日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場で上演されるこの作品に先駆けて、5月14日には東京・ミッドタウン八重洲で特別な「楽曲鑑賞会」が開催されました。
ボウイの音楽とその影響
この楽曲鑑賞会には、約50名の参加者が集まり、音楽評論家の立川直樹氏がデヴィッド・ボウイの音楽やその背景について解説を行いながら、ボウイの楽曲が流れました。立川氏は「『LAZARUS』は音楽劇としての色合いが強く、非常に面白い作品です」と語り、その魅力を紹介しました。
楽曲鑑賞会の冒頭で流されたのは、舞台タイトルにもなっている「Lazarus」。立川氏は、この曲がボウイの音楽キャリアの深い部分に根差していることを説明し、ボウイが自らの死を予感しながら制作していたアルバム『★(ブラックスター)』と関連性があることを指摘しました。ボウイの楽曲がテーマやメッセージの面でいかに深いものかを感じさせる瞬間でした。
時代を越えるボウイの音楽
続いて、1969年にリリースされた「Space Oddity」が紹介されました。この曲はアポロ11号を背景にしたもので、立川氏は「22歳の若者がこんなコンセプトを思いつくなんて驚異的でした」と感心しながら解説しました。来場者も、ボウイの先見性の高さに驚きを隠せませんでした。
また、ボウイの名作『ジギー・スターダスト』についても触れられ、宇宙からやって来たロックンローラーの物語が生み出された背景や、その後のツアーでの引退発表にまつわるエピソードも披露されました。ミュージカルでは使用されていないものの、特に人気が高い「Starman」が感情を揺さぶります。
ヒット作とミュージカルの融合
イベントでは、ボウイの他の名曲も次々と流れ、音楽の背景や制作過程に込められた思いが語られました。例えば、ボウイが引退発表後に発表したアルバム『アラジン・セイン』からの「Time」や、『スケアリー・モンスターズ』収録の「イッツ・ノー・ゲーム」も紹介され、ミュージカル『LAZARUS』でも使用されている楽曲が少しずつ明かされていきました。
最後の曲として選ばれたのは、ボウイの重要な作品に関連する「ヒーローズ」と「火星の生活」。立川氏は、ボウイが時間やジャンルを超越した存在であることを強調し、彼の音楽がどれだけ重要かを伝えました。これは観客にとっても、ボウイの音楽の本質を理解する良い機会となりました。
日本初演に向けて
ミュージカル『LAZARUS』は、ボウイの音楽とそのメッセージが詰まった特別な作品です。演出は白井晃が手掛け、松岡充が主人公トーマス・ニュートンを演じ、豊原江理佳がその運命の相手となる少女の役を務めます。全17曲の中にはボウイの名曲が網羅されており、観客は彼の音楽の魅力を存分に楽しむことができるでしょう。
鑑賞会を通じて、ボウイの音楽に込められた深いメッセージや彼の生き様を改めて感じた参加者たち。日本初演を観ることに期待を寄せる声が多く聞かれました。イベント終了後の立川氏の言葉、「ぜひ、ラザルスの世界を体験してほしい」とのメッセージが響き渡りました。日本初演の幕が上がる日が待ち遠しい限りです。
公演情報
- - 公演名称:ミュージカル『LAZARUS』
- - 日程:2025年5月31日(土)~6月14日(土)
- - 会場:KAAT神奈川芸術劇場 〈ホール〉
- - チケット:SS席 18,000円、S席 13,500円 A席 10,000円
- - 公式サイト:LAZARUSステージ公式サイト
大阪公演も予定されており、ボウイの物語が待っています。皆さんもこの特別な舞台をお見逃しなく!