フィンランド産学視察団が静岡のマザー工場を訪問
株式会社ミスミグループ本社の駿河生産プラットフォームは、フィンランドの主要大学教授や製造業、コンサルティング企業からなる産官学の視察団を静岡県静岡市清水工場に迎えました。この歴史的な視察は、世界的なエコシステム・デザインの権威であるヨハン・ヴァリン博士のリーダーシップのもとで行われ、早稲田大学の藤本隆宏教授の推薦によって実現しました。
視察の目的
フィンランドは「デジタル・グリーン・サプライチェーン」を国の戦略として掲げ、サステナビリティの実現に向けたデジタル化を積極的に進めています。視察団は、統合型ものづくり研究を行うために日本を訪れており、関東や関西の大手製造企業に加え、大阪万博のフィンランドデーにも出席する予定です。この訪問では、藤本教授が「世界でも突出したユニークな生産システム」と評価する駿河生産プラットフォームの「変種変量の自働化」を学ぶことが目的です。特に、800垓にものぼる商品バリエーションを可能にする多品種少量生産のデジタル生産モデルに注目が集まりました。
視察のハイライト
視察団は、まずミスミの生産プロセスに関する概要の説明を受け、その後、実際の製造現場に足を運びました。
ALASHIスタジアム
自社開発の金型研削システム「ALASHI」をはじめ、ミクロン単位の超精密加工を実現し、平均受注数2〜3本で「変種変量の自働化」を実現しています。このシステムによって、高精度が求められる金型部品の生産効率と品質が大幅に向上しています。
meviyデジタルマニュファクチュアリングシステム
この無人プロダクションシステムは、技術的に難易度の高い変種変量においても確実な短納期を実現します。「meviy」は設計から生産までを短縮するAIプラットフォームとして注目を集めています。2023年1月には「第9回ものづくり日本大賞」で内閣総理大臣賞を受賞し、高い評価を得ました。
視察団のコメント
視察後、ヨハン・ヴァリン博士は、駿河生産プラットフォームの短期間での進化に感銘を受け、日本のものづくりのレベルが国際的に高く評価されていることを示しました。また、デジタル技術と実際のモノの流れが見事に融合している点に驚かされたとのことです。
駿河生産プラットフォームとは
駿河生産プラットフォームは2005年04月にミスミグループ本社と経営統合し、精密加工技術を基盤に持つ製造企業です。現在、日本国内だけでなく、ベトナムや中国など海外にも拠点を展開しています。
ものづくりの未来
ミスミグループは、デジタル技術によってものづくりプロセスの変革を進めており、3DデータをもとにAIが自動見積もりを行うサービス「meviy」を導入しています。このデジタル技術の導入により、製造現場の生産性向上が図られ、クライアントに新たな価値を提供することを目指しています。これからも、よりクリエイティブな仕事に集中できる環境を整えていくことに注力していくことでしょう。