鴻池運輸の生成AI活用プロジェクトがスタート
大阪市に本社を構える鴻池運輸株式会社は、自社の業務プロセスをデジタル化し、生成AIを全面的に活用する新たなプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトの名称は「生成AI活用プロジェクト」で、2024年12月から本格的にスタートしています。プロジェクトの目的は、労働力不足を解消し、働き方改革を推進することにあります。これにより、従業員の生産性の向上とウェルビーイングを追求しています。
プロジェクトの背景と目的
現代社会では、業務のデジタル化とデータの活用が求められています。しかし、労働力不足の問題は経営者にとって大きな課題であり、この解決策が急務となっています。鴻池運輸は、こうした課題を踏まえて本プロジェクトを発足させました。このプロジェクトは、業務の効率を高めるだけでなく、従業員が充実した働き方を実現できる環境を整えることを目指しています。
プロジェクトの概要
1. AI活用の基盤づくり
- - 自社クラウド環境にセキュアな開発環境を構築し、生成AIを利用する基盤を整えました。
- - 最新の知見に基づくAIガバナンス体制の強化を図り、2025年には一般社団法人「AIガバナンス協会」にも加入予定です。
- - 生成AIの利用ニーズに応じたガイドラインも策定しています。
2. AI活用に向けた研修の実施
- - 全社員と経営層を対象にAI活用に関する研修を提供し、知識の普及とスキルの向上を進めます。
3. アンバサダープログラムの開始
- - AIプラットフォームを使用したハンズオン型の教育プログラムを通じて、実際の業務現場でのAI活用を促進します。
- - AIの活用を促す「AIアンバサダー」として人材を認定し、彼らが自職場でのAI導入を推進します。
4. 個別ユースケースの開発
- - 定型資料の自動作成やコーポレート部門向けのFAQチャットボットなど、具体的なユースケースを開発しています。
経営陣のコメント
鴻池運輸の執行役員、佐藤雅哉氏は、「生成AIは業務の根本を変える可能性がある」とコメントしています。また、単に業務をAIに任せるのではなく、「人」を中心に据えた変革を目指しており、技術と人の融合によって企業の価値を守るとしています。これにより、「人と絆」の価値を大切にしながら、KONOIKEグループの競争力を高めていくことを約束しています。
今後の展開
鴻池運輸は、アンバサダープログラムを通じて現場主体のAI利用のサイクルを構築し、さらなるAI運用のガバナンス強化を進めていく予定です。2028年3月期までには生成AIを用いたユースケースが12件以上になることを目指しています。
2030年ビジョンで掲げられた「技術で、人が、高みを目指す」の実現に向けて、鴻池運輸は最新技術と現場での職人技術の融合を追求し続けます。生成AI活用プロジェクトは、企業競争力の強化と従業員の生産性をさらに向上させるための重要なステップとなるでしょう。