「Re:Broadcast」が切り拓く放送技術の進化
2025年11月、幕張メッセにて開催された「Inter BEE 2025」にて、株式会社クインティアは放送DXサービス「Re:Broadcast」を発表しました。この新サービスは、AI技術とIP化を駆使し、放送業界が直面している課題を解決するための次世代の技術基盤を提供します。
【放送技術の現状と課題】
日本は高品質な放送技術に恵まれていますが、近年、放送技術を理解する若手エンジニアの数が減少しています。これに伴い、放送の専門知識の継承と新たな技術の導入が危機に瀕しています。このような中で、新たなサービス「Re:Broadcast」は誕生しました。クインティアは、放送の「技術継承」と「進化」を両立させることを目指しています。
【Re:Broadcastの3つのミッション】
Re:Broadcast は、3つの主要なミッションを掲げています。この内容は以下の通りです。
1.
Media over IP × 放送のIP化
SMPTE ST 2110やNMOSを基盤にしたIPベースの放送インフラの構築を推進し、配信の枠を再設計します。これにより、ARIB非対応の課題解決や品質維持を実現します。
2.
AI × 放送運用の知能化
マスター監視や番組の考査、字幕生成など、放送運用の要所にAIを取り入れます。これにより、リアルタイムで放送の解析を行い、「止まらない放送」を支える基盤を構築します。
3.
放送技術のソフトウェア化
符号化技術やARIB字幕、BMLなどを最新のプログラミング言語で再実装し、放送技術をより扱いやすくします。
【展示されたAIプロダクト】
InterBEE 2025では、クインティアとクロノキャストが共同で開発したAIプロダクトを展示し、次の3つのテーマを中心に紹介しました。
1. 監視(監修)ソリューション
キャラクターIPや番組IPを活用し、デザイン監修を自動化します。これにより、監修往復の削減と品質の一貫性を実現。
映像、音声、テロップ、台本を解析し、権利侵害や不適切表現を検出。これにより、放送前審査が自動化されることで、制作の効率が向上します。
2. 音声ソリューション
雑音から高精度に音声を抽出し、放送品質の高い音声を再構築します。
テキスト原稿を入力するだけで、自然なナレーションを即時生成。これにより、制作工程が大幅に短縮されます。
3. Virtual Product Placement(VPP)ソリューション
撮影済みの映像に商品や看板を自然に合成。再撮影なしで新たな広告枠を生成します。
地域や配信チャネルに応じて広告を動的に入れ替えることで、映像資産の収益性を向上させます。
【クインティアとクロノキャストの連携】
両社は、AIやIP技術、映像・音声処理を統合し、現場での最適なソリューションとして放送局に提供します。これにより、運用の標準化や制作効率向上を図り、デジタル変革の基盤を築いていきます。
【詳細情報のご案内】
「Re:Broadcast」や、展示に関する詳細は、
こちらの記事をご覧ください。また、出展レポートなども公開していますので、ぜひご確認ください。
【会社情報】
株式会社クインティアは、東京都中央区に本社を置き、放送DX事業を展開しています。
株式会社クロノキャストは東京都港区に本社を置き、AIや映像技術の研究開発を行っています。
放送技術の未来を見据えた「Re:Broadcast」が、どのように業界を変革していくのか、今後の動向に注目です。