実家の相続を考えるときの重要な課題
みなとアセットマネジメント株式会社が実施した、「都内の不動産相続」に関する調査結果から、家族間での相続についてのコミュニケーションの不足が浮き彫りになりました。調査対象は40代から60代の男女で、親が都内の居住用不動産を所有している方々です。この調査では、特に自立した健康な親との相続に関する話し合いが難航している実態が明らかにされました。
健康な親が相続に関して話し合えない現状
調査によると、親の健康状態は「日常生活に大きな支障がない」と回答した方が43.4%で最も多く、また「非常に健康」とする回答も29.1%にのぼります。そのため、健康であるがゆえに、将来の介護や相続を「まだ早い」と感じてしまいがちです。このことが、具体的な話し合いを後回しにする一因と考えられます。
実際に、親との間で実家の相続について話し合った経験についての質問には、31.1%が「これまで話題に出したことはなく、今後も出す予定はない」と回答。話題を出したいと考えているものの、切り出しにくいと感じる人が多いことが浮き彫りになりました。
親の反応とコミュニケーションのギャップ
実家の将来と相続についての話を切り出した際、親の反応として最も多かったのが「現実的に受け止め、前向きに話し合いに応じてくれた」という回答です。実際には子世代が話しを切り出すことに苦慮している一方で、親は話し合いに対して柔軟な姿勢を保っていることが伺えます。このようなことから、子世代からの積極的なアプローチがより円滑な準備へとつながる可能性が高いと考えられます。
兄弟や親族間での話し合いの課題
さらに、兄弟や親族間での話し合いにおいては、37.0%が「特に問題なく、協力的に話し合えている」と回答していますが、25.4%は「誰が主導するかで様子見をする」「20.1%は負担の押し付け合いになりがち」とも報告されています。このような現状から、相続や処分を進める上での役割分担や維持管理のコスト負担がコンフリクトを生んでいることが考えられます。
実家の理想的な扱いとその理由
調査では、実家の不動産を「誰かが住み続ける(または維持する)」ことを理想と考える人が38.7%にも上ります。しかし、34.0%の回答者は「まだ決めていない」「どうしたらいいか分からない」としています。この結果から、実家への愛着と実際にどのように扱っていくかという現実的な課題の間に隔たりが生じている様子が見えます。
認知症への意識不足
また、将来の親の健康問題に関するリスク、特に認知症に関して「何となく聞いたことがあるが詳しくは知らなかった」という回答が48%にのぼりました。つまり、認知症の影響で実家が売れなくなるリスクや成年後見制度といった対策についての認識は十分ではないことが浮き彫りになりました。これにより、早いうちから制度を知り、事前に家族間で対策を議論しておく必要があります。
各家族に合った選択肢を
実家の相続や売却の現実と向き合う中で、早期からのコミュニケーションと共に法制度の知識を得ることが、円滑な相続に向けた第一歩といえそうです。特に「リースバック」と呼ばれる仕組みについても、条件や方針を明確にし、各家庭に合った解決策を模索する必要があります。実際、実家の扱いについての判断や意見が分かれる中で、親がしっかりと健康でいるうちに、家族会議を開くことが非常に重要です。
まとめ
家族間のコミュニケーションが不足している昨今、親の資産相続を円滑に進めるためには、日常的に話し合いを持っていくことが必要です。また、法的リスクの認識を深めるためにも、早めに家族で相談し合う時間を持つよう心がけましょう。そうすることで、実家をどう扱っていくかについて、より良い選択ができるようになるはずです。