京阪沿線を舞台にした新しい物語『ただいま、けいはん』
株式会社MEETSHOPと京阪電気鉄道が手を組み、2025年10月30日から新しい体験型小説プロジェクト『ただいま、けいはん』をスタートします。このプロジェクトは、「小説×ヘルスケア×脳科学」を組み合わせた全く新しい試みです。発表と同時に、特設Webサイトも公開され、計測イベントなどを通じて参加者の体験が展開されていきます。
きっかけは一通の提案書
このプロジェクトのスタートは、若手スタッフの植田香菜子さんが提案した一通の書類から始まりました。本を読む人が減少している昨今、どのように人々に「本との出会い」をもたらすことができるのか、植田さんと直木賞候補作家の岩井圭也氏との対話が、このプロジェクトの基礎を築くこととなりました。彼女は、ヘルスケアも心の余白を取り戻す重要な要素だと感じており、小説との結びつきの重要性を強調しました。このようにして、彼らは新しい挑戦として「小説とヘルスケアの体験」を生み出すことを目指しました。
京阪電鉄との共同事業
プロジェクトは、京阪電車の「京阪電車 事業共創チャレンジ 2025」に採択され、日常の風景を小説を通じて再発見することを目指しています。また、脳科学の権威である片岡洋祐氏が協力し、感情を可視化できるアプリ「KOKOROスケール」を用いることで、街を歩きながらドーパミンやセロトニンの分泌に関連する心の動きを測定する実証試験も行われます。このようなたくさんの要素が組み合わさった新しいプロジェクトが誕生しました。
体験型小説『ただいま、けいはん』の内容
このプロジェクトの中心となるのは、京阪沿線を舞台にした2巻の短編小説シリーズです。物語は岩井圭也氏による完全書き下ろしで、彼自身が京阪沿線で育った経験が生かされています。第一巻のタイトルは「朔太郎編」で、Webサイトでは物語のあらすじが先行公開され、2025年12月16日には沿線の駅などで冊子版が無料配布される予定です。
また、2025年11月1日には、体験型イベントとして「KOKOROスケール」を活用した街歩きイベントが実施されます。淀屋橋から天満橋までのルートを歩きながら、参加者は自分の感情や心の動きのデータがどのように変化するのかを体感することができます。このイベントは、参加者同士の相性診断を楽しむこともでき、科学的視点から「街歩きの中で心が動く瞬間」を再発見する機会を提供します。
結びつく多様な意見
このプロジェクトを形作るメンバーは、それぞれの思いを込めています。岩井圭也氏は地元京阪電車の企画に関わることが光栄だと語り、MEETSHOPの植田さんは本や鉄道が持つ懐かしい記憶とともに、人々が心動かす瞬間に出会える体験を望んでいます。片岡洋祐氏は「小説×ヘルスケア×脳科学」という初めての挑戦にワクワクしているとコメントし、MEETSHOPの代表である前田晴代氏は、このプロジェクトが日常生活における「小さなただいま」を見つけるきっかけになることを期待しています。
最後に
『ただいま、けいはん』は、出版業界や電鉄業界、そして脳科学の研究者が協力して生まれた新しいヘルスケア体験です。今回の企画を通して、読書する楽しみや街を歩くことの大切さを再定義し、現代の暮らしにおいて人々の心の余白を取り戻していきたいと考えています。興味のある方は、ぜひ公式Webサイトをチェックして、最新情報を見逃さないようにしてください。