はじめに
税理士の転職活動は、その決断に至る背景や過程が非常に多様です。株式会社レックスアドバイザーズが行った「税理士の転職実態に関する調査」では、331名の税理士や科目合格者から貴重なデータを得ました。調査結果を分析することで、税理士の転職におけるトレンドや、転職者が直面する現実を明らかにしていきます。
調査の概要
本調査は2025年12月9日から12月15日の間に実施され、楽天インサイトのアンケートモニターを利用して行われました。対象は過去3年以内に転職をした税理士有資格者213名と科目合格者118名、計331サンプルです。
転職活動を行うきっかけ
調査結果によれば、税理士が転職活動を始める主な理由は「人間関係のトラブル」や「代表の代替わり」が上位に挙げられています。前職の年収や業務内容に不満を持っているケースが多い中でも、実際に転職を決意したきっかけは人間関係に依存していることが多いのです。
年収と転職動機
調査に参加した転職者の40%が前職の年収に不満を感じており、その約半数(26%)が年収が最大の不満要素だとしています。年収以外にも働き方や業務内容、人事評価についての不満も多く、これらが積もることで転職活動に至ることがわかります。また、新しい職場での年収の魅力を感じる転職者も40%に達し、そのうちの28%が年収が決定的な魅力と考えています。
転職活動中の価値観の変化
興味深いのは、転職活動を経て転職者の価値観にも変化が見られることです。転職活動開始時には40%が年収を最重要視していたのに対し、転職先決定時にはその割合が34%に減少しました。代わりに働き方や人間関係を重視する傾向が強まったことが示されています。
転職活動における苦労
また、転職活動のプロセスに関して、38%の転職者が「面接のスケジューリング」に苦労していると回答しています。面接準備や書類作成などの下準備も苦労の一因であり、これらの作業が転職活動をより困難なものにしています。実際、最も苦労した点としてスケジューリングや面接準備が上位を占めています。
転職活動に対する満足度
全体の23%が転職活動に満足していると答えていますが、「まぁ良かった」との評価をした人が45%と最も多く、約43%の転職者は「もし可能であれば、転職活動をやり直したい」と考えています。これは、満足度の高い層にも後悔や不満が潜んでいる証拠でしょう。
まとめ
税理士の転職活動は、経済状況や業界の変化と密接に関連しています。また、年収や業務内容などの初期の重要視から、働き方や人間関係へのシフトが見られることも今後の転職市場に影響を与えるでしょう。転職活動に関するこの調査結果は、税理士業界における働き方や転職におけるトレンドを理解する上での貴重な指針となります。