映画の聖地を巡る旅
2025年7月18日、リットーミュージックより『京都撮影所案内』がリリースされます。本書はライターの高鳥都が手掛け、時代劇の中心地・京都の撮影所に焦点を当てた一冊。普段は見ることのできない撮影現場の生の姿や、それにまつわるエピソードが詰まっています。
撮影所の背景と魅力
本書では、「松竹撮影所」を始め、「嵯峨映画」、「東和美粧」、「髙津商会」といった名だたる撮影所とオフィスを詳細に紹介。その全容は、まさに時代劇の魅力と歴史を物語っています。高鳥都は、現場でのリアルな写真を多数撮影し、読者にその雰囲気を伝えてくれます。
特に注目すべきは、各撮影所の関係者へのインタビューです。計22名の声を通して、撮影所でのこだわりや制作の裏側を伺うことができます。素晴らしいビジュアルとともに、読者はまるでその場にいるかのような感覚を味わえるでしょう。
日本のハリウッド、京都
巻末には「日本のハリウッド・京都」という特集も設けられており、1910年から現代に至る撮影所の変遷を詳しく解説しています。この章では、今まで名前は知っていても詳しくは知らなかった小さな撮影所の来歴なども紹介され、資料的価値も非常に高い内容となっています。
東映太秦映画村の魅力
さらに、本書で紹介されている施設の中でも唯一一般公開されている「東映太秦映画村」についても触れざるを得ません。このテーマパークは、東映京都撮影所の屋外スタジオが活かされており、時代劇のオープンセットが見られます。また、屋内施設「パディオス」では、特撮やアニメに関連した様々なイベントが展開されています。
この映画村は2025年11月1日に開業50周年を迎え、リニューアルプロジェクトも進行中です。2025年夏には、髙津商会の協力による地域イベント「太秦祭魂~Soul Of Uzumasa Matsuri」が開催予定で、来春以降には第1期エリアのオープンが計画されています。次の50年に向けた全面リニューアルに、今から期待が高まります。
「京都撮影所案内」を手に取って
映画の背後にある熱い情熱と、時代劇の魅力を深く知るために、ぜひ『京都撮影所案内』を手に取りましょう。映画ファンにとって、これほど貴重な情報源は他にありません。高鳥都が紡ぎ出す物語を通じて、映画の「聖域」を体験してみてください。未踏の映画世界が広がっています。興味のある方は、是非とも手に取ることをお勧めします。