食体験を形に残したい!大阪・関西万博の「TSUGITE」プロジェクト
2025年、大阪で開催される関西万博において、株式会社uluコンサルタンツが展開する「TSUGITE(ツギテ)」プロジェクトが注目を浴びています。このプロジェクトは、人々の「記憶に残る食事体験」を大切にし、それを実現する方法を模索するものです。
昨今の調査によると、食事を通じて得られる豊かな体験や思い出が、多くの人にとって重要であることが明らかになりました。料理の味だけでなく、誰と、どのような空間で食べたかといった文脈が、その記憶をより強く刻む要因となっているのです。
食への関心の変化
日本国内で行われた調査では、記憶に残る食事体験を持つ人々が、外食を月に2~3回経験していることが示されました。また、実際に記憶に残った理由として、「美味しさ」(約65%)や、食事を共にした人との思い出(約36%)、特別な場の雰囲気(約32%)が挙げられています。このように、食は単なるエネルギーの摂取ではなく、文化や人格に根ざした重要な体験であることが分かります。
記憶に残すための取り組み
特に興味深いのは、食事を形として残すことへの肯定的な意識です。調査の結果、約8割の人が「食事体験を形として残すことが良い」と答えました。これは、思い出としての価値を強く感じていることを示しています。
多くの人々が魅力を感じている形として、特に写真(約77%)が好まれ、メニューやショップカード、使用した器なども記念品としての重要性を示しています。これらは、料理の味覚だけでなく、場の空気感や思い出を再現するための手段となります。
「TSUGITE」による新たな試み
「TSUGITE」プロジェクトでは、飲食店で使用されたお箸を職人の手で加工し、記念品として手元に届ける新しいサービスを実施します。これにより、使い捨てではなく、「育てて、使い続ける」という伝統工芸の精神を再現し、食事体験を貴重なものとして残す機会を提供します。
このプロジェクトは、単なる消費行動ではなく、食と工芸の結びつきを強化し、持続可能な社会の実現を目指しています。また、記念品を通じた消費者の体験を深めることで、他者との思い出を共有する手段ともなります。
感情をつなぐ体験の価値
今回の調査結果からも示されるように、体験を形に残すことへの意識は非常に高く、価格やデザイン性、ストーリー性が重視されていることがわかります。また、実際にもらって嬉しかった記念品として、お箸やマグカップ、写真などが挙げられ、日常に使えるものでありながら、思い出を思い起こさせるアイテムが好まれています。
「TSUGITE」プロジェクトは、現代の食文化における意識の変革を背景に、ただ「食べる」という行動を超え、記憶と感情をつなぐ体験を重視しているのです。これからの食の在り方についての理解を深め、食と工芸が生み出す新しい価値観を広めていくことが期待されています。
未来への挑戦
最後に、こうした取り組みがどのように民衆の意識に影響を与え、持続可能な形で発展していくのかを見守ることが大切です。「わたしの名品帖」は、このようなプロジェクトを通じて日本の伝統工芸を次世代に繋ぐ架け橋としての役割を果たし、「買って終わり」ではない、新たな生活文化を育んでいくことでしょう。