大阪・関西万博で感じる量子アートの未来
2025年に開催される大阪・関西万博では、注目の企画展『エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]×芸術』が予定されています。この展示の中で特に注目されているのが、ADKマーケティング・ソリューションズが理化学研究所iTHEMSと共に制作した「Black Hole Recorder」です。展示期間は2025年8月14日から20日までの間、万博EXPOメッセ「WASSE」で行われます。
この作品は、量子ブラックホールに着想を得たサイエンスアートであり、未来の情報ストレージを模索した蓄音機の形を帯びたデバイスです。「Black Hole Recorder」の特徴は、月の質量相当の物質を約0.1mmの大きさに圧縮した人工ブラックホールを内蔵し、理論上、約10の52乗ギガバイト(10那由他バイト)ものデータを録音することができる点です。つまり、この作品は、現実の情報を保存し未来に伝える潜在能力を持ったプロトタイプとも言えます。
量子・海・宇宙を感じる展示空間
展示される会場は、薄暗く設定され、訪れる人々は「Black Hole Recorder」の鑑賞だけでなく、体験も楽しむことができます。会場では周囲の音が常に録音され、全ての音声がこのデバイスに記録されていきます。さらには、将来的な展望として、人類の声が記録された音は、約1,500光年先のブラックホールに送信されるという壮大な計画も掲げられています。
この展示は、量子力学に基づく『ブラックホール情報パラドックス』に触れ、実際のブラックホールに私たちの声が保存される未来の可能性を体感できる機会となっています。楽しむだけでなく、科学の面白さや不思議さを感じる内容にもなっており、来場者に新たな視点を提供します。
イマジネーションと科学技術の融合
『エンタングル・モーメント』展では、量子研究が持つ100年の歴史が背景にあり、数多くの科学者やアーティストが「見えない世界」の魅力に挑戦してきました。ここでは、最新の科学技術がアート表現とどのように融合し、新たな価値を生み出していくのか、様々な展示や解説映像を通じて学べます。量子コンピュータや量子通信技術など、最先端研究の成果が紹介され、またゲームやトークイベントなども行われ、来場者の好奇心を刺激します。
に参加したい方は、
開催概要
- - 展示名: 黒穴の記録者
- - 開催期間: 2025年8月14日(木)〜8月20日(水)
- - 開催場所: 大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」
- - 公式サイト: エンタングル・モーメント公式サイト
「Black Hole Recorder」は、理化学研究所のiTHEMSが展開するデザインスタジオ「Useless Prototyping Studio」によって制作されています。科学とアートが融合したこのユニークなプロジェクトは、未来の情報保存の可能性を見つめながら、新たな体験を提供します。是非、万博で体験してみてください。