医療現場のエンゲージメント向上を考える
2025年11月21日から22日にかけて大阪市で開催される「第26回リハビリテーションケア合同研究大会 介護予防推進研究大会(RC2025)」にて、株式会社モレーンコーポレーションの代表、草場恒樹氏が講演を行います。このセミナーでは、タイトルの通り「人が輝き、育ち、集まる組織の作り方」と題し、リーダーに必要なエンゲージメント戦略について詳しく語られます。
背景:超高齢社会におけるリハビリテーションの重要性
日本は急速に超高齢社会へと進んでおり、平均寿命が延びる一方で健康寿命とのギャップが問題視されています。この社会情勢の中、リハビリテーションを専門に行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士たちの役割はますます多様化してきています。特に、他の職種との連携も重要な要素となっており、今後のリハビリ業界では「個の技術」と「チーム力」がこれまで以上に求められていくでしょう。
組織力の向上が医療の質に与える影響
これまで多くの医療機関ではマネージメントに関する取り組みは行われていましたが、エンゲージメントに対するアプローチは少なかったのが現状です。エンゲージメントとは、施設と従業員間、また従業員同士や上司・部下の「関係性の質」を高めることで生まれる結果であり、高いエンゲージメントを持つ組織は離職率の低下や業績向上が期待されます。実際、医療現場ではエンゲージメントが高いことで院内感染の防止や医療事故の低減にも寄与しているとされています。
「バンドルルーム」とは何か
草場氏が講演で紹介する「バンドルルーム」は、日本初の医療機関向けエンゲージメント向上プログラムです。このプログラムは、組織内の「関係性の質」に注目し、従業員エンゲージメントを高めることを目的としています。モレーンが行うDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、各部署のスタッフが抱える期待度と満足度の差を数値化し、対面研修で改善策を実行していくことで、組織の変革を伴走します。
期待される効果
エンゲージメントの向上によって、以下のような効果が期待されています:
- - 定着率の向上:働きがいのある環境を実現し、離職を防ぎます。
- - 生産性の向上:良好なチームワークが業務効率を改善します。
- - 医療の質・安全性の向上:院内感染の予防や医療安全対策が強化されます。
- - 持続可能な経営:質の高い医療提供と従業員の満足度の両立が可能に。
- - 患者の満足度向上:患者ロイヤルティが高まり、病院経営の改善が期待されます。
「バンドルルーム」は、現在いくつかの病院で実証実験が行われ、期待される成果が映し出されています。
セミナー開催概要
この興味深いセミナーは、2025年11月21日(金)12:30から13:20まで、マイドームおおさか第7会場(2F展示ホールB-2)にて行われます。講演のテーマは「人が輝き、育ち、集まる組織の作り方; ~リーダーに必要とされるエンゲージメント戦略について~」で、座長は医療法人春秋会の看護部長、村井真由美氏が務めます。
医療現場での組織力向上を目指すこのセミナーは、医療従事者にとって非常に有意義な機会となるでしょう。ぜひご注目ください。