JR西日本、モビルスのチャットボット導入で多言語対応の効率化を実現
JR西日本が、モビルス株式会社と協力して、今まで以上に効率的で多言語対応の顧客サービスを実現しました。この取り組みは、特に外国人旅行者向けの問い合わせに注力したものです。2025年から本格運用されるこのシステムでは、オンラインチャット機能を利用して、英語、中国語、韓国語の3つの言語によるサポートが受けられます。
背景とニーズの高まり
2024年には、訪日外国人旅行者数が過去最多である3,687万人に達すると予測されており、JR西日本では、これに伴って忘れ物やQRコード予約サービス「WEST QR」への問い合わせが急増しています。これまでこれらの問い合わせは、通訳を介して電話で応じる形だったため、時間がかかり、対応の効率が課題とされていました。
特に、大阪万博や大阪IRの開設といった大きなイベントを控える中、多くの外国人旅行者のニーズに迅速に答えるため、多言語対応能力が求められました。これに対処すべく導入されたのが、モビルスの「MOBI AGENT」及び「MOBI BOT」です。
導入されたシステムの特徴
この新システムでは、モビルスのチャットボットが多言語対応を実現。例えば、忘れ物に関する問い合わせは、JR西日本の特設Webサイトから簡単に行えます。利用者は、必要な情報を入力するだけで、オペレーターが迅速に反応する仕組みになっています。これにより、利用者は自国の言語でスムーズに問題を解決できるようになります。
システム運用開始からわずか2カ月で、従来の電話対応と比べて、問い合わせ1件あたりの平均対応時間は約24%も削減されました。例えば、これまで25分かかっていた電話での対応が、チャットを利用することにより約19分に短縮されました。
利用者満足度の向上
導入後の成果として、多くの利用者から高い評価が寄せられています。特に、母国語での対応が可能なため、快適に利用できたという声が多いです。また、問い合わせの放棄率が1%という低い数字を記録し、ほとんどすべての利用者が問い合わせを完了させています。満足度調査では、評価が4点以上という高評価を得ています。
今後の展望
JR西日本では、さらなるインバウンド需要の増加が見込まれています。そのため、現在のシステムの精度向上を目指し、カスタマーサービスの向上を図る計画です。また、チャットボットの回答シナリオや質問内容を見直し、解決率100%の達成を目指します。これにより、運営負担を軽減し、より迅速な問い合わせ対応が実現できると期待されています。
このように、JR西日本とモビルスの取り組みは、旅行者への高品質なサービスを提供するだけでなく、業務の効率化やコスト削減へも寄与しています。今後もこの先進的な試みが、サービスの質をさらに向上させることに貢献するでしょう。