株式会社ネクスタ、製造業へのDX推進に新たな一歩
最近、大阪のIT企業、株式会社ネクスタが約8億円の資金調達を実施し、製造業向け基幹業務クラウド『SmartF』の展開を加速させることが期待されています。これは同社のシリーズBラウンドのファーストクローズでの成果で、今後のセカンドクローズに向けた動きも注目されています。
資金調達の詳細
ネクスタは、今回の調達で新たにリコージャパンを始め、複数の投資家からの支援を得ています。調達方法は第三者割当増資で、リコージャパン、ジャフコグループ、りそなキャピタル、中信ベンチャーキャピタル、XTech Venturesなどが引受先です。この資金は、プロダクトの開発強化や採用、組織体制の改善に活用されるとのことです。
製造業が抱える課題
日本の製造業は、現在深刻な人手不足やデジタルトランスフォーメーション(DX)の停滞など、多くの課題に直面しています。特に、製造業の現場業務は複雑で特異性が高く、アナロジーな運用に頼っているため、従来の業務システムは高額な費用がかかるフルスクラッチやカスタマイズを必要とするケースが少なくありません。これにより、業界全体のDX推進は遅れています。
SmartFの導入と実績
ネクスタが開発した『SmartF』は、製造現場における共通プロセスを体系化したSaaS型クラウドシステムです。このシステムは、ユーザーが簡便に導入できるよう設計されており、業務改善提案や導入支援を通じて多くの企業に利用されています。最近の成果として、SmartFの導入により、一例では赤字経営から売上が1.5倍に増加したケースも報告されています。
事業状況と今後の展望
ネクスタの事業は急激に成長しています。わずか2年半前には20人の従業員が、現在は120人にまで増加しました。また、月次平均売上も7倍以上の成長を記録しています。SmartFは、日本の製造業の99.5%を占める中堅・中小企業向けの汎用型クラウドとして展開され、その市場のポテンシャルは巨大です。デジタル化の難易度が高い中で、同社はあえてこの領域に挑戦しています。
今後の戦略
ネクスタは、今回の資金調達を機に、『SmartF』の販売管理機能やSFA機能の新たな機能を追加し、製造・営業・経営を統合したオールインワンのシステムへと進化させる予定です。今年中には、3つのAIエージェントを導入し、今後2年間でさらに20のAIエージェントを展開する計画です。また、全国341の拠点を持つリコージャパンとの資本業務提携により、SmartFの全国展開を加速させる考えです。
日本の製造業の未来
リコージャパン常務執行役員の宮本氏は、製造業が日本経済の根幹を支えていることを強調し、中小・中堅製造業にとってSmartFが成長を促進するソリューションになることを期待しています。投資家たちは、ネクスタの成長と将来性に着目し、資金を供給することでさらなる発展を支援する決意を表明しています。これからの『SmartF』の動向と、それに伴う製造業のDX進展が楽しみです。
参加イベントの告知
さらに、ネクスタは12月9日に「製造業DXカンファレンス2025」を大阪で開催します。同カンファレンスでは、中堅・中小製造業におけるDXの実態や事例が発表され、参加者にとって貴重な情報交換の場となるでしょう。参加は無料ですが、事前登録が必要です。より詳細な情報は公式サイトでご確認ください。