久留米の防災挑戦
2025-09-30 15:41:11

久留米市で進化する防災への挑戦 IoTセンサで水害対策の新時代へ

久留米市で進化する防災への挑戦



近年の気候変動により、水害対策がますます重要な課題となっています。そうした中、積水樹脂株式会社をはじめとする4社が福岡県久留米市と連携し、最先端のIoT技術を駆使した水害対策の実証実験を開始しました。これは、「IoT浸水深センサ」と衛星データを用いて、災害時の迅速な対応力を高めることを目的としています。

実験の背景



久留米市は、九州最大の一級河川である筑後川が流れる地域で、過去には内水氾濫による大きな被害を経験しています。このような背景から、2022年には「流域治水推進プロジェクト」を立ち上げ、地域全体での水害対策に取り組んでいます。積水樹脂を含む企業は、これに賛同し、より高度な情報収集と分析を行うための協力を決定しました。

具体的には、IoT浸水深センサと衛星データを組み合わせて、遠隔での浸水状況をリアルタイムで把握する技術の確立を目指します。この技術により、万が一の災害発生時には迅速な避難支援が可能となり、地域住民の安全を守るための大きな助けになると期待されています。

協定の内容



今回の協定では、積水樹脂、三井住友海上、QPS研究所、MS&ADインターリスク総研の4社が連携し、久留米市の水害リスク情報を迅速かつ精度高く収集・分析していきます。具体的な取り組みは以下の通りです:

1. 浸水深センサの配置検討と設置:過去の浸水データを基に、流域における最適な浸水深センサの配置を計画し、設置・維持管理を行います。
2. データ提供:積水樹脂と三井住友海上が、浸水深センサからのデータを提供します。
3. 衛星データの提供:QPS研究所が運用する小型SAR衛星から、浸水域に関するデータを収集します。
4. データ分析:MS&ADインターリスク総研は、集めたデータの分析やアルゴリズムの構築を担当します。

IoT浸水深センサとは



この「IoT浸水深センサ」は、新しい技術を用いて、浸水深を最大3mまで、1cm単位で計測することができるデバイスです。LPWA通信のSigfoxネットワークにより、5分ごとにデータを送信し、遠隔からもリアルタイムでの把握を可能にします。これにより、従来は手動での確認が必要だった浸水状況を簡単に監視できるようになります。

久留米市では、これまでに浸水被害があった場所にセンサを設置して、実証実験を行っています。すでに設置済みのセンサと合わせて、合計で15基のセンサが活躍中です。これにより、地域の安全を高めるだけでなく、持続可能な都市づくりにも寄与することが期待されています。

未来の展望



このような取り組みは、地域の安全を支えるために民間企業と地方自治体が協力して新しい技術を活用するモデルケースとなるでしょう。将来的には、自然災害を未然に防ぐためのさらなる発展も期待されており、防災テクノロジーの進化が地域的な水害リスクを低減する助けとなることを願っています。

「社会の景色に、安全と心地よさを。」を掲げる積水樹脂は、今後も防災・減災への取り組みを続け、持続可能な社会の実現に向けて努力していくことでしょう。


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