産学連携プロジェクトで生まれた新商品、その効果とは？

学生がプロデュースした商品が生んだ広告の成功

最近、株式会社ゲート・ワンが産業能率大学経営学部小々馬ゼミとの共同で行った産学連携プロジェクトが、若者市場において大きな注目を集めています。このプロジェクトでは、学生たちが手がけた「ファミマルポテトチップス絶品うすしお味」のCMが、特にZ世代の女性たちに強い影響を与え、実際の売上にも好影響を及ぼしたことが明らかになりました。

このプロジェクトは、リテールメディアと呼ばれる小売企業の顧客データを活用した広告配信の効果を実践的に検証することが目的であり、具体的にZ世代の購買行動を分析したものです。15秒のCMは2025年6月24日から7月7日まで、首都圏のファミリーマート約2900店舗で放映されました。

Z世代女性に特化した購買促進の結果

売上データを分析したところ、特に女性10代の購買率は、過去の同じカテゴリーの平均を156.5%も上回りました。このことから、学生たちが企画したCMが彼女たちの購買行動に積極的な影響を与えたことがうかがえます。彼女たちに響く内容だったことが、購買に結びついたのです。

学生ならではの表現力

CMの企画においては、学生たちの創造力が生かされました。アンケート調査を基に、「気分爆上げ」といった若者言葉を使ったCMを作成し、短い時間でインパクトを与える内容に仕上げています。広告に触れた消費者は、「美味しそう」「ASMRみたいで魅力的」といった感想を寄せ、購買意向に強く影響していることも分かりました。

具体的には、「絶品うすしお味の美味しさが伝わり試したくなる広告だった」「共感できる応援メッセージがあり魅力的だった」との意見が寄せられました。学生たちが作成したCMは、ただの広告ではなく、商品を通じて感情的なつながりを形成し、購買へと導く大きな役割を果たしたのです。

今後の展望と影響

ゲート・ワンは、今回の成功を受けて今後もリテールメディアのZ世代への効果的なアプローチ手法の研究を続けていくと発表しています。この取り組みを通じて、学生たちが社会に貢献する機会も増え、企業のマーケティング戦略にも新たな視点をもたらすでしょう。

プロジェクトの詳細

このプロジェクトは、Z世代の消費行動を実践的に検証するものであり、学生たちがマーケティングのリアルな現場を経験する貴重な機会でもあります。ファミリーマートでは、店内のデジタルサイネージ「FamilyMartVision」を活用し、より多くのお客さまと接点を持てる環境を作り上げています。今後もこのような産学連携プロジェクトが続き、学生たちの新しいアイデアが形になっていくことでしょう。