新たな“クマ取り”治療の満足度向上因子を明らかにした研究

美容外科クリニック・TCB（東京中央美容外科）の松村圭祐医師が発表した論文が、国際学術誌「Archives of Aesthetic Plastic Surgery」に掲載されました。この研究では、目の下の“クマ”に対する代表的な治療法である経結膜脱脂術に焦点を当て、患者の満足度がどのように年齢に影響されるかを詳細に解析しています。

研究の背景と目的

日本全国に104院を展開するTCBでは、最新の美容医療技術を駆使して、患者の美しさと幸福を追求しています。これまで“クマ取り”治療に関しては、どの年代が最も適切かということが経験則に依存している部分がありました。そこで、具体的なデータに基づく科学的な裏付けを提供することを目的に、この研究が行われました。

研究の方法

本研究では、手術を受けた患者50人（中央値50歳）を対象に、治療後1カ月の評価を実施しました。患者には、膨らみや色素沈着、たるみに対する満足度を5段階評価の「眼窩周囲満足度リッカート尺度（PSLS）」で評価してもらい、また術前・術後の写真を基に2人の医師が独立して評価しました。このデータをもとに、満足度に影響を及ぼす要因を統計学的に分析しました。

研究結果

結果として、患者の満足度スコアの中央値は、膨らみで5点、色素沈着とたるみでそれぞれ4点という評価が得られました。また、50歳未満の患者は、膨らみやたるみに関して50歳以上の患者よりも高いスコアを示すことがわかりました。年齢による満足度の変動は、特にたるみに対して顕著であり、40代後半からの満足度が低下する傾向が示されています。

さらに、年齢による満足度の変動が統計的に有意であることが確認され、経結膜脱脂術における早期治療の妥当性が示唆されました。興味深いことに、骨膜上ヒアルロン酸フィラーの使用は、膨らみや色素沈着の改善に非常に大きな影響を及ぼすことも発見されました。

今後の影響と意義

この研究の結果は、美容医療における治療計画に大きな影響を与える可能性があります。年齢に応じた治療アプローチを強化することで、より多くの患者がその効果を実感できるようになるでしょう。また、これまで主観に依存していた“クマ取り”治療のタイミングを、科学的データに基づいて決定できることは、美容医療の進化の証でもあります。