アンゴラの女性リーダーシップを体感した特別イベント
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の閉幕直前、10月11日に開催されたアンゴラ共和国パビリオンの特別イベント「女性の力が導く変革:家族と共生の物語を紡ぐアンゴラ」が大きな注目を集めました。イベントでは、アンゴラの女性リーダーたちが家庭支援、教育、文化表現を通じて社会変革に貢献している姿を紹介し、広く共感を呼び起こしました。
この特別な場には、コミッショナー・ジェネラルを務めるアルビナ・アシス・アフリカーノ氏が開会の挨拶を行い、彼女の言葉は聴衆に強い影響を与えました。エンジニアとしての経歴を持ち、元石油大臣やCEOなどを歴任した彼女は、女性のリーダーシップの重要性を力説し、「子どもを育てるには村全体が必要」というアフリカの諺を元に、家族や地域が協力して未来を築くことの大切さを訴えました。
新しい家族のかたちを育む取り組み
続いてのメインセッションでは、弁護士でありGAAA(The First Adoption Support Group in Angola)の代表を務めるイラセマ・メデイロス・フィリペ氏が、アンゴラでの養子縁組支援について素晴らしいプレゼンテーションを行いました。GAAAはアンゴラ初の養子縁組支援団体として、弁護士や心理士、ソーシャルワーカーが連携して家庭支援や制度改革に取り組んでいます。2024年には「ハーグ国際養子縁組条約」に加盟し、国際的な基準の下で子どもの権利を守るための仕組みづくりが進む中、フィリペ氏は「子どもを育てるのは家族だけでなく社会全体である」と熱く語り、多くの聴衆の心に響くものでした。
文学を通じて社会を映し出す
第2部では作家のグレース・ソランジェ・アラウージョ氏が、「A Literary Journey」と題して講演を行い、彼女の作品に込められたメッセージを披露しました。彼女は、戦後の女性たちの視点からアイデンティティや希望を描く作品を通じて「文学は社会を映す鏡」と表現し、そこに込められた力によって未来を変える可能性について言及しました。聴衆の中には、文学の力を通して社会課題に取り組む姿に感銘を受けたという声も多く上がりました。
万博を振り返るメッセージ
万博閉幕後、アルビナ・アシス・アフリカーノ氏は、アンゴラパビリオンについて「文化や芸術、食を通じて希望と再生の物語を伝える場であった」と振り返り、特に女性が未来を形作る重要な存在であることを示せたことを誇りに思うと述べました。また、万博が生んだ出会いが、国や文化を越えた新しい社会づくりへとつながることを強く願っていると語りました。
アンゴラパビリオンの魅力
アンゴラパビリオンは「健康のための教育(Education for Health)」をテーマに、多くの来場者に印象を与えました。医療従事者を目指す少女の物語を描いたショートムービー「チッソラの夢」をはじめ、展示やパフォーマンスを通じてアンゴラの教育や医療文化の多様な側面を紹介し、多くの人々の心に温かな記憶として残りました。閉幕時には「モジュール型パビリオン 外観デザイン部門」で金賞を受賞し、この栄誉は国際博覧会事務局(BIE)が主催する授賞式で称えられました。これにより、アンゴラパビリオンはその建築的表現と創造性において特別な存在として認識されました。
この特別なイベントを通じて、アンゴラの女性たちがもたらす力と変化の可能性が、多くの人々の心に深く刻まれたことでしょう。