大分市に誕生する再エネ併設型蓄電池の全貌
大分県大分市において、大阪ガス株式会社とSonnedix Power Holdings Limitedが共同で設立した発電所に、国内最大規模の再エネ併設型蓄電池の設置が決定しました。これは、太陽光発電による余剰電力を効率的に活用する試みで、再生可能エネルギーの未来を切り開くものと期待されています。
再生可能エネルギーの「もったいない」現象
太陽光発電や風力発電は、その特性上、天候による発電量の変動が大きいのが難点です。特に、晴れの日には発電量が需要を上回ることが多く、これにより余剰電力が発生します。この電力を活用しきれない「もったいない」現象が再エネの普及を阻む要因となっています。
大阪ガスとSonnedix社は、これを解決するために再エネ併設型蓄電池を設置。太陽光発電で生成した電力を日中に蓄え、夕方や夜間に供給するシステムを構築することで、再エネの活用効率を大幅に向上させることを目指します。
蓄電池のメリット
1.
電力の最大活用
この蓄電池は、発電所と併設されることで、生成された電力を無駄なく蓄え、必要に応じて供給可能です。これにより、太陽光発電のポテンシャルを最大限に引き出せるのです。
2.
需給バランスの安定化
天候による発電量の変動を平準化することで、電力系統の安定性が向上します。昼間のピークに電力を充電し、それを他の時間に放電する仕組みを活用します。
事業概要と予定
本プロジェクトにおいて、太陽光発電所は発電容量約39MWを誇ります。蓄電池は定格出力約30MW、定格容量約125MWhで、2026年11月に運転開始を予定しています。工事は東芝エネルギーシステムズ株式会社が担当し、竣工後の遠隔制御は大阪ガスが行います。
さらに、本発電所は再生可能エネルギーの買取制度を見直し、現在のFIT制度からFIP制度へと移行予定です。これにより、大阪ガスは発電・放電された電力の全量を引き取る形となります。
大阪ガスの目指す未来
大阪ガスは、2050年のカーボンニュートラル達成に向けての取り組みを強化しています。2030年度までに1000MWの蓄電池運用規模を達成する計画を持ち、再生可能エネルギーの更なる普及と安定した電力供給を目指します。
この蓄電池事業を通じて、再エネの活用方法を進化させ、さらなる社会課題の解決に向けた一歩を踏み出すのです。大分市に登場するこのプロジェクトは、地域のみならず全国的な影響を及ぼす可能性を秘めています。今後の進展に注目が集まります。