新たな女性の健康支援へ。おりものシートと自宅検査
小林製薬株式会社と株式会社LDHD(ルナドクターホールディングス)の共同研究が、女性の健康管理に新たな光をもたらすことが期待されています。当社は、2022年から業務提携を結ぶ中で、女性のセルフケアや健康支援を目的とした研究に取り組み、特に細菌性腟症(BV)のスクリーニング検査手法を開発しました。これは、普段使いのアイテム「おりものシート」を活用することで、自宅で手軽に実施できる検査方法を目指しています。
研究の背景
日本では、約30%の女性が、おりものの量や臭いに関して不安を抱えているという調査結果があります。しかし、婦人科の受診率はわずか20%にとどまり、検査を受けることへの抵抗感が強いことが浮き彫りとなっています。特に、腟スワブを用いた従来の検査方法に抵抗を感じる女性も多く、約49%がその方法に不安を抱えるというデータもあります。
こうした背景を受けて、小林製薬とルナドクターHDは、女性たちが手軽に自分の健康をチェックできる手法として、日常的に使われるおりものシートに目を向けました。これにより、たとえ忙しい女性でも、自宅で簡単に健康状態をチェックできることを実現しようとしています。
研究の進捗
研究では、おりものシートを使った検体採取方法を検討し、ニュージェントスコア法を応用しました。この方法は、従来のスワブ検体に基づくものですが、今回はシートを用いての検査精度を向上させることを目指しました。
特筆すべきは、医師が採取したスワブ検体と、おりものシートを用いて参加者が自己採取した検体との比較において、約70%の一致率が確認された点です。これにより、シートを使った検査法の実用性が示されました。また、郵送されたシートからの検体が着用当日のものと一致する率も高く、信頼性のある結果が得られました。これらの結果は、女性が自宅で気軽に健康をチェックできる環境を提供するための大きな一歩と言えるでしょう。
未来への展望
この研究は、日用品を活用した郵送検査の仕組みを通じて、女性の健康や未病ケアを促進することを目的としています。小林製薬は、現在の成果を基にさらなる精度向上や実用性の検証を進め、より多くの女性が安心して利用できる検査を提供していく意向です。
最終的には、健康管理を支援する新しいシステムを通じて、一人ひとりの健康を支え、より良い社会の実現を目指します。女性の悩みに寄り添うと同時に、医療に対する心理的ハードルを下げ、より多くの女性が自分の健康を守れる世界の実現に寄与することが求められています。
まとめ
本研究がもたらす「おりものシート」を利用した自宅検査が、女性の健康管理におけるスタンダードとなる日も遠くないでしょう。小林製薬とルナドクターHDのこれからの取り組みに期待しつつ、自宅で手軽に自身の健康を見守ることができる新しい時代が到来することを願っています。