高齢者の買物課題に対する新たな調査とサービスの取り組み

高齢者世帯の増加が進む今日、日本社会はかつてないほどの高齢化問題に直面しています。株式会社エス・エム・エスは、この社会問題に対応するため、セブン-イレブン・ジャパンと共に、特に「高齢者の買物課題」に着目した調査を実施しました。この調査は、ケアマネジャーと介護を支える家族を対象に、高齢者の買物に関する実態を探るものです。

調査の背景

近年、超高齢社会が進行する中で、高齢者世帯は確実に増え続けています。2000年には約366万世帯だった高齢夫婦世帯が、2020年には約653万世帯に達するなど、その数は急速に増加しています。こうした背景から、要介護者自身やその家族が抱える問題も多様化しています。特に、介護やリフォーム、葬儀などというテーマは、専門的な知識や迅速な意思決定が求められますが、これに関する情報は依然として不足しているのが実状です。

エス・エム・エスは、2006年にケアマネジャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」を設立し、以来、さまざまな支援を行ってきました。さらに、2009年からは介護に悩む人達を対象にした「安心介護」コミュニティを立ち上げ、介護に関する情報や支援を提供しています。特に、買物の支援に関する実態を把握するための調査が行われたのは、こうしたニーズに対する理解を深めるための重要な一歩と言えます。

調査の内容

この調査は、373名のケアマネジャーと341名の介護家族を対象に行われました。調査の結果、ケアマネジャーの約90％が「日常の買物に課題を抱える利用者を担当している」と回答し、半数以上が利用者からの依頼で、自身の業務範囲を超えて買物の対応を行っていることが明らかになりました。また、介護家族の調査では、8割以上が買物に何らかの負担を感じているとの回答がありました。

特に、介護家族が買物で最も困難と感じている瞬間は、自身の体調が悪くて買物に行けない場合であり、介護者自身の健康状態が高齢者の生活必需品の調達に直接影響を与えている現状が浮き彫りとなりました。

セブン-イレブン・ジャパンの役割

セブン-イレブン・ジャパンは、宅配サービス「7NOW」を通じて、高齢者や介護が必要な方々の日常的な買物の支援を目指しています。注文から配達までの短い時間が魅力のこのサービスは、特に悪天候や忙しい日常の中での買物が難しい高齢者にとって、大きな助けとなることでしょう。今回の調査からも、7NOWなどの宅配サービスが高齢者世帯における買物の負担を軽減する可能性が示唆されています。

結論

エス・エム・エスの調査結果は、高齢者世帯の買物に関する課題は、介護職の業務負担を増やし、介護家族の精神的・肉体的負担にもつながるのだと示しています。これを受けて、ケアマネジャーや介護家族への効率的なサポートを進める必要があります。これからも、高齢者が必要とするサービスの質を向上させるために、セブン-イレブン・ジャパンとの協力を通じて、地域社会の課題を解決する手助けをしていく所存です。

これらの取り組みは、今後ますます高齢化が進む日本社会において、重要な意味を持つことでしょう。私たち一人ひとりが、高齢者の生活をより豊かにするためのサービスや情報を創出していくことが求められています。