那須大亮氏が語る夢の追い方
大阪経済大学で3月11日に開催された講演会「夢を追い続けるために」では、元プロサッカー選手でありYouTuberでもある那須大亮氏が講師として登壇しました。同氏は、人生設計やキャリアプランについて、これまでのサッカー選手としての経験を基に貴重なアドバイスを学生たちに共有しました。
プロサッカー選手への道
那須氏は1981年に生まれ、駒澤大学在学中にJリーグでデビューを果たしました。彼のプロキャリアは横浜F・マリノスから始まり、東京ヴェルディ、ジュビロ磐田、浦和レッズ、ヴィッセル神戸など、数々のチームで活躍をしてきました。中学時代、那須氏は平凡な選手としてスタートしましたが、恩師との出会いをきっかけに練習への意識が変わり、自主的に練習プログラムを作成するようになりました。その努力が実を結び、プロのキャリアへとつながっていったのです。
大学時代にはU-19日本代表にも選ばれ、チャンスを掴むためにプロサッカー選手になる夢を強く抱き続けました。特に苦労したのは大学の監督からの厳しい言葉だったと述べ、大学は「プロの予備軍ではない」と言われた当時の思いを語りました。それでも目標達成への熱意を持ち続けた結果、2002年に横浜F・マリノスに入団することができました。
選手としての成長と挫折
サッカーの世界で上を目指すほど、多くの挫折や苦境を経験することになります。那須氏も多くの試合で試練を乗り越え、2013年には浦和レッズに所属し、公式戦で4試合連続得点を記録しました。サッカーのいい面も悪い面も含め、「嫌な時間は成長できる時間でもある」と語り、その考え方を学生たちにも伝えました。
「ピンチはチャンス」という言葉が好きな那須氏は、困難な状況を乗り越えるための思考法を重要視しています。サッカーという競技に留まらず、彼のような挫折を経験することで、新たな可能性を見出せると力強く伝えました。
仕事の本質と人間力
プロ生活の中で得た「仕事の本質」についても語りました。熱狂的なサポーターが特徴の浦和レッズでは「がんばってください」ではなく、「一緒に戦いましょう」と応援されることが心に響いたそうです。彼は、サポーターの声援が試合を変える力になることを実感し、周りのすべての人の思いを背負ってプレーすることの大切さを学びました。それが、現在のYouTuber活動へとつながっているのです。
元教え子でもあるイニエスタ選手の行動に触れ、「一流の選手には高い人間力が求められる」と述べました。感謝の気持ちや、当たり前のことを当たり前に行うことが、仕事の本質を理解する上で重要だと言います。
学生たちへのメッセージ
講演会の終了後、質疑応答も行われ、学生たちは様々な質問を投げかけました。「大学生に戻れるなら何をしますか?」との問いに対して、語学を学ぶことやトレーニング方法をより深く理解したいと現役学生に響く回答を返しました。
那須氏の講演は、同じサッカーに情熱を燃やす学生たちに大きな刺激を与え、プロとしてのリアルな経験が彼らの進むべき道に影響を与えたことは間違いありません。彼の言葉は、今後のキャリアや人生設計において重要な指針となることでしょう。講演後、学生たちは記念撮影を行い、彼の姿勢に感謝を示しました。