余剰ご飯を地域に還元―南紀白浜の新しいSDGs活動

温泉宿の新たな挑戦

和歌山県白浜町に位置する「南紀白浜和みの湯花鳥風月」が、新たに地域支援を行う活動を始めました。この宿泊施設は、運営する京都プラザホテルズの一環として、2025年10月から余剰ご飯を地域に還元する取り組みを開始しました。これは、白浜町社会福祉協議会を通じて生活困窮者への食支援を行うものであり、フードロスの削減と地域福祉の向上を目指すSDGsの理念に沿ったものです。

具体的な支援内容

この活動では、宿泊施設内で炊飯後に残った余剰の白ご飯を小分けし、冷凍保存しています。その後、毎週1回、白浜町社会福祉協議会へと提供されています。提供されるのは、茶碗2杯分に相当する白ご飯で、必要とする方々に直接届けられる仕組みとなっています。

現在、週あたり数十個規模での提供が安定して行われており、地域の食資源を無駄にすることなく、必要とされる家庭や個人に届いています。これは、地域社会の困難を少しでも和らげる助けとなる活動です。

背景と想い

この取り組みは、「余ったご飯を有効活用できないか」という現場からの提案によって生まれました。自然の恵みを無駄にせず、地域の必要な人々に届けることが目的です。初回の提供では、この宿の総支配人である石田勝己氏が自ら、白浜町社会福祉協議会の松本隆志事務局長に白ご飯を手渡す場面もありました。石田氏は、「さまざまな事情を抱える方々がいると思います。声を上げることの難しい人たちに、少しでも『遠慮しないでください』というメッセージが届けば嬉しい」と話しています。

持続可能な運営を目指して

「南紀白浜和みの湯花鳥風月」を運営する京都プラザホテルズでは、地域社会との共生を企業の理念とし、環境や社会、経済の三つの観点から持続可能な運営を推進しています。今回の取り組みは、地域の“もったいない”を“ありがとう”に変える、新しい社会的役割の一歩となります。これからも、「おもてなしの心」を館内だけでなく、地域全体に広げる活動を継続する意欲があります。

施設の概要

「南紀白浜和みの湯花鳥風月」は、全室に半露天風呂を完備した温泉宿で、自然の中でリラックスできる空間を提供しています。地元の食材を使用し、地域の資源再利用にも注力しており、持続可能な観光地作りや地域活性化にも貢献しています。これからも地域とともに成長しながら、利用者に心温まる体験を届けていく方針です。

京都プラザホテルズの支援活動は、地域の人々を支え、同時に社会問題の解決にも寄与する重要な一歩となっています。地域の未来を共に考える取り組みへ、今後も目が離せません。