タカミヤ2013年から開始した社内副業制度「コイン制度」で社員のスキルを開放

タカミヤの新しいワークスタイル - 社内副業制度「コイン制度」

株式会社タカミヤが2023年に本格運用を開始した社内副業制度「コイン制度」は、建設業界における人材不足の解消を目的とし、社員同士がスキルを活かし合う新しい仕組みです。この制度は、繁忙期に人手が不足している部署が社内イントラネットを介して支援を募り、余裕のある部署がその仕事を手伝うことで、対価として社内通貨の『コイン』が配布されるシステムです。

この制度が導入されてから、2025年の上期までに24万枚のコインが流通し、多くの社員がこの仕組みを通じて自分のスキルを活かせるようになりました。また、自社開発のイントラネットでは社員のスキルが一覧化され、依頼主と支援者のマッチングを促進しています。

コイン制度の特徴と効果

業務繁閑の平準化

建設業界は地域や季節によって業務の繁閑が激しいため、繁忙期には「人手が足りない」といった声が挙がる一方で、閑散期には「もっと仕事がしたい」という意欲も聞かれます。このような課題に対して、コイン制度は上手にマッチングを行い、繁忙期の人手不足を解消し、長時間労働の抑制にも貢献しています。また、育児休業を取得する際の代替支援が簡単になることから、職場環境の改善が期待されています。

スキル活用による自己成長

社員同士で助け合うことで、自分の得意分野や経験を活かす機会が増え、これがスキルアップにもつながります。部署や地域を超えた業務に参加することで、新たな経験を通じて自己の成長を促すことができるのです。

可視化された支援実績

コインは1コイン＝1円相当で運用され、支援を行った社員は実績として自分のスキルと貢献度が数字で可視化されます。これにより、依頼した職場の評価や社員の貢献が明確になり、賞与に反映される仕組みになっています。

コイン制度導入の背景

タカミヤは2022年にこの制度のテスト運用を開始し、2023年からは本格的に運用を開始しました。この制度は、繁忙期における人手不足の解消を狙ったものであり、育児休業の取得を促進するためにも重要な役割を果たすことが期待されています。

社内イントラネットの活用

コイン制度の推進に向けて、タカミヤは自社イントラネットを整備しています。このシステムにより、社員は「誰が、どんなスキルを持っているのか」を把握でき、ヘルプを依頼することが容易になりました。具体的には、以下のような機能があります：

- 社員のスキル情報を登録
- 各部署がヘルプを依頼
- ヘルプ依頼はリアルタイムで自動更新
- スキル情報を検索して依頼主からのオファーが可能
- コイン支払いの自動処理

実際の成功事例

この制度を活用した実績として、グローバル生産管理部が韓国語の翻訳業務を依頼し、新潟支店の社員がその支援を行った事例や、動画編集を必要とする部署がスキルを持つ社員からの支援を受けることができた事例があります。これにより、社内でのスキルのシェアが進み、業務が効率化されました。

働きやすい環境の整備

タカミヤは社内副業制度のほかにも、社内派遣制度を通じて人手不足の地域に柔軟に対応し、社員同士が支え合える環境を整備しています。また、男性の育児休業取得促進活動にも力を入れており、安心して仕事と育児を両立できる環境を提供しています。

タカミヤの社会的役割

タカミヤは建設業界における人手不足やコスト高の問題に立ち向かうため、様々なソリューションを提供しています。単なる製品の供給にとどまらず、社員が新しい発想を持ち、業務課題を解決していくための環境作りが求められています。これらの取り組みを通じて、タカミヤは業界の変革を新しい形で進めています。

タカミヤの社内副業制度「コイン制度」は、社員の自立を支えつつ業務の効率化を促進する未来を目指した重要な取り組みです。