奄美信用組合が始めた新しいオンライン手続きの流れ
奄美群島の中心に位置する奄美信用組合が、トヨクモ株式会社の提供する「FormBridge(フォームブリッジ)」を利用してオンラインでの本人確認の体制を構築しました。これにより、離島特有の交通の便の悪さが解消され、地域の皆さんにとって大きな利便性がもたらされることが期待されています。
FormBridge導入の背景
奄美信用組合は、地域密着で事業を展開している金融機関ですが、最近の人口減少や高齢化に伴い、顧客がフィジカルな店舗に訪れることが難しい状況が生まれています。そのため、住所変更や電話番号変更などの手続きを行うためには、遠くの店舗まで足を運ぶ必要があったのです。これは、特に高齢者層にとって大きな負担となっていました。
また、金融庁からの指導により、顧客情報を定期的に最新化する必要が生じ、これまでは紙書類での処理が不可欠でした。しかし、これが職員にとっては大きな業務負担となっていました。こうした課題を解決するため、奄美信用組合は「FormBridge」を導入しました。
FormBridgeの特徴と利点
「FormBridge」は、kintoneと連携した便利なWebフォーム作成ツールです。これにより、マイナンバーカードを使った本人確認が格段にスムーズになり、従来必要としていた運転免許証等のコピー取得や、余分な情報のマスキング作業が不要になりました。これによって、安全性が高まり、さらに手続きが迅速になりました。
奄美信用組合の平田成史氏は、初めて「FormBridge」を使った際、その利便性に驚いたと述べています。これまでの窓口での本人確認に伴う業務負担が大幅に軽減され、効率的な運営が可能になると確信しています。待機時間や手続きの手間が減ることで、顧客満足度向上にも寄与することでしょう。
今後の展望
奄美信用組合で成功したこのシステムは、今後他の業務にも応用される予定です。すでに多くの地方金融機関からの問い合わせがあるとのことです。トヨクモでは、この成功事例を契機に日本全国の信用金庫や信用組合に、さらなる業務効率化とデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める意向を示しています。
トヨクモの思い
トヨクモ株式会社の社長、山本裕次氏は今回の導入が地域金融機関にとっての画期的な一歩であると述べており、さらにこのような成功事例を全国に広げていくことが彼らの使命だと強調しています。安全かつ簡便なオンライン手続きは、すべての金融機関にとっての課題解決の一助になるでしょう。
まとめ
奄美信用組合が行ったこの取り組みは、地域密着型の金融機関が新たな時代に適応している象徴であり、今後の金融サービスにおけるデジタル化の進展を示唆しています。このような先駆的な取り組みが、多くの地方金融機関にも飛び火し、顧客にとってより良いサービスが提供されていくことを期待したいものです。