看護師が語る職場の満足度と働き方の意識調査2025

看護業界の未来を担う約1万人の看護師を対象に実施された「看護師の働き方に関する意識調査2025」において、興味深い結果が報告されました。この調査は、看護師向けの人材紹介サービス「ナース専科転職」を運営する株式会社エス･エム･エスが実施したもので、4回目の実施となります。以下にその調査結果のいくつかをまとめてご紹介します。

満足度は62.4%の看護師が職場に満足

調査によると、看護師の62.4%が現在の職場に満足していると回答しました。施設形態による満足度の違いがあるものの、クリニックや訪問看護ステーション、介護施設での満足度は上昇傾向にあります。割合的には満足感に大きな変化は見られず、やはり職場環境や同僚との関係性が重要視されていることがわかります。

現職での満足点と不満点を分析

満足している点の上位には「同僚との関係（81.8%）」や「患者・利用者との関係（76.5%）」があり、不満点は「適切な人員配置（70.2%）」や「管理職のマネジメント（63.1%）」でした。実際に働く看護師たちは人間関係には満足している一方で、組織運営に対する不満が解消されていない現状が浮き彫りとなっています。

退職理由は「上司との関係」

また、退職理由の調査結果では、31.5%が「上司との関係に不満がある」と回答し、注意が必要な傾向が見られました。過去の調査でも同様の結果が観察されており、職場の人間関係の重要性が再確認されています。

重要な職場選びのポイント

職場選びで特に重視されているポイントは「勤務時間・体制（56.1%）」「職場へのアクセス（53.2%）」「給与（41.8%）」の3つです。特に勤務時間や体制については、多くの看護師がプライベートとの両立を重視していることがうかがえます。

転職後の希望働き方

転職後の希望としては「常勤（日勤のみ）（54.5%）」が多く、続いて「常勤（夜勤あり/2交代制）（32.9%）」と「非常勤（扶養範囲外）（15.8%）」が選ばれました。特に「常勤（夜勤あり/2交代制）」の希望が昨年より増加している点には、経済的な背景も影響していると考えられます。

原因となるICTの導入状況

さらにICT（情報通信技術）の導入状況についても調査が行われました。急性期病院においては97.7%がICTを導入していることが明らかになり業務の効率は向上しているようです。しかし手書き記録に関してはネガティブな意見が多く、特に「カルテや書類の保管場所が多くて整理が大変」といった声が目立ちました。

ストレス管理の重要性

また、看護師にとって特に必要とされる研修内容として「ストレス管理（34.1%）」が挙げられました。他にも「救急・急変時対応」や「接遇・マナー」が挙げられ、今後の看護業務に必須となるスキルの重要性が再確認されています。

外部サポートの需要

調査結果においては、ハラスメントに関する相談窓口の外部設置希望が多く、内部相談窓口に満足していない人々の声が挙がり、多くの看護師が外部サポートを必要としていることが明らかになりました。これは、より良い職場環境を目指すための重要な改善ポイントとなるでしょう。

まとめ

この調査は、看護師の職場環境や働き方に関するさまざまな問題点を明らかにしました。今後もこのような取り組みを通じ、より快適な職場の実現や、職業としての魅力向上に繋がることが期待されています。看護師の方々が安心して働ける環境を整えていくためには、業界全体での取り組みがますます重要になります。これからも、その動向を注視していきたいと思います。