建設業界の人材不足が深刻化、2030年には10万人超の不足が予測

建設業界の人材不足が深刻化

近年、関東エリアの建設業界は深刻な人材不足に直面しています。総合人材サービス会社であるヒューマンリソシア株式会社が発表した最近の調査によれば、2024年から2040年にかけての建設技術者と技能工の需給ギャップが予測されています。特に技能工不足の拡大が懸念されており、2030年には約10万人、2040年には最大19.7万人の不足に達するとされています。

技術者の需給ギャップ

調査によると、建設技術者の需給状況は少しずつ改善する見込みで、2032年頃にはギャップが解消されるとしています。しかし、この改善は余剰がわずかに留まることから、今後の経済環境に応じて不足に転じるおそれも大きいです。2040年には、技術者の労働供給数は23.4万人に増加することが期待される一方、必要数は22.7万人と微増するため、需給ギャップは縮小するものの、リスクは依然として存在します。

技能工の現状

対照的に、建設技能工の供給数は減少の一途をたどっていることが示されています。2020年の78.2万人から、2040年には66.9万人まで減少する見込みで、これは20年間で14.4%の減少を意味します。そして、一方で必要人数は2020年の81.4万人から、2040年には86.6万人へと増えるとのことです。これにより、関東エリアでは技能工不足がますます深刻化し、2030年には10万人、2040年には最大19.7万人に達すると予測されています。供給不足率は22.7%で、他のエリアと比較しつつも、建設需要への対応が一層困難になるとの懸念が続いています。

調査結果の意義

この調査結果は、関東エリアの建設業界における人材供給数と需要数の今後の見通しを示す重要なデータとなります。新卒採用や海外人材の獲得競争の激化、人材供給のさらなる減少が予測される中、企業はこれまで以上に人材確保に力を入れる必要があります。実際、ヒューマンリソシアのアンケート調査では、約6割の企業が施工管理の人材不足が将来拡大すると予測しており、この人材確保に対する危機感が強いことが伺えます。

未来への対応策

今後、採用強化や待遇改善による人材定着策が重要となります。また、海外出身者を積極的に採用し、新たな人材確保の手段とすることも、技術者不足の解消に向けた一手となるでしょう。さらに、デジタル技術（DX）の導入により生産性を向上させることも、労働力の確保に寄与すると考えられます。建設業界は新たな変革を迎えつつあり、これからの人材不足問題にどう立ち向かうかが問われています。