高齢者と生涯学習
2025-01-13 18:21:22

高齢者の生涯学習がもたらすポジティブな変化とは?岡山大学の研究発表

高齢者の生涯学習がもたらすポジティブな変化とは?



近年、高齢者の生活の質や心身の健康に関する研究が進展しています。国立大学法人岡山大学の研究チームは、高齢者の主観的老いに対する意識について新たな実証研究を行い、その成果を発表しました。この研究は、生涯学習と身体活動が高齢者に与えるポジティブな影響を明らかにすることを目的としています。

研究の概要



岡山大学の白石奈津栄大学院生と堀内孝教授を中心に、大阪大学の中川威准教授、兵庫教育大学の山本康裕大学院生らとともに、70歳以上の高齢者878人を対象に、12カ月間にわたる縦断調査を実施しました。

調査の中で注目されたのは、「加齢に係る変化意識」と呼ばれる指標です。これは高齢者が加齢に伴って何を得、大切にしているのか、また、逆に失っていると感じるものに対する意識を測定します。「獲得」と「喪失」の二側面を持つこの意識は、主観的幸福感や身体的健康と密接に関連していることが先行研究で明らかになっています。

生涯学習と身体活動の影響



研究の結果、生涯学習に積極的に参加している高齢者は「獲得」のポジティブな意識が高まりやすいことが分かりました。具体的には、知識や技能を新しく得ることで、自己価値感や充実感が増し、結果として主観的幸福感が向上することが示唆されています。

一方、身体活動が頻繁な高齢者は「喪失」に関するネガティブな意識が低く保たれることが分かりました。定期的に身体を動かすことが、身体の不具合や年齢による変化への恐怖心を和らげ、より快適に日常生活を送る助けになるとのことです。

今後の展望



この研究結果は、超高齢化社会が進む中で、高齢者に対する生活支援の方針として生涯学習や身体活動の重要性を再認識させるものです。研究チームは、これらの活動が高齢者のより良い生活に向けた指針となり、質の高い老後を実現することを期待しています。

岡山大学はこの研究を、老年学および老年医学の分野でも権威を持つGSA(Gerontological Society of America)の年次大会で発表する予定です。これは、研究成果を国際的に広め、他の研究機関との連携を深化させる絶好の機会となります。

研究者の声



白石奈津栄大学院生は、「この研究は、高齢者がより良い生活を送るための重要な手掛かりを提供します。生涯学習と身体活動を通じて、健康的な老後を支援するための手段を広めていきたい」と述べています。

研究チームは、今後も継続的に調査を行い、高齢者の生活の質向上に寄与することを目指しています。生涯学習や身体活動に関する関心を高め、高齢者が充実した日々を送るためのアプローチを提供していくことが期待されます。

結論



岡山大学のこの研究は、高齢者がよりアクティブに生活するための新たな可能性を示しています。生涯学習と身体活動がもたらすポジティブな効果に着目し、より多くの高齢者が健康的で満足な生活を送れるよう、地域全体で支援していく必要があります。


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