新型車両火災用ノズル「アクアサイクロン™」のリリース
株式会社モリタが新たに開発した車両火災用ノズル「アクアサイクロン™」は、安全な消火活動を実現するために設計されています。特に、近年のEV(電気自動車)の普及に伴い、その特有の火災リスクに対応するための初めての試みとして注目されています。
1. EV火災への新しい挑戦
EVに使用されるリチウムイオンバッテリー(LIB)は、火災が発生した際に高い再燃リスクと可燃性ガスを生じる特性があります。従来の消火方法では、バッテリーが車両の下部に設置されているため、水の放射が十分に届かず、効果的な冷却が困難でした。「アクアサイクロン™」はこの課題を解決するため、低流量でも広範囲に水を供給し、強力な冷却を実現します。この特許出願中の製品は、消防隊員に安全に消火活動を行うための革命的なツールです。
2. 特徴
2.1 効率性
アクアサイクロンは全高90mmの薄型設計で、車両下からLIBに直接アプローチし、爆発的な火力を鎮めます。ノズルの先端は回転し、50L/minという低流量で広範囲に放水が可能で、これにより熱暴走や再燃のリスクを大幅に低減します。軽量な設計とシンプルな操作性も非常に重要で、消防士が迅速に対応できるようになっています。
2.2 安全性・機能性
「アクアサイクロン™」は2,250mmの長いノズルを持ち、消防士が安全な距離から操作できます。また、側面放水ノズルによって、火炎から細心の注意を払うことができ、設置後は手放しで放水が行えます。収納時には980mmとコンパクトになるため、場所を取らず持ち運びにも便利です。
3. 仕様
- - 製品名: 車両火災用ノズル「アクアサイクロン™」
- - 寸法: 使用時 2,250mm、収納時 980mm
- - 重量: 約4.4kg
- - 放水範囲: 約2,000mm×2,000mm
- - 流量: 50L/min-0.5MPa
- - ホース接続部口径: 40A差込式
4. EV消火への提案
「アクアサイクロン™」を含む新たな消火ソリューションを提案します。
STEP1: 消防ポンプ自動車「Miracle CAFS Car」を活用し、少量の泡薬剤で効率的に火勢を抑えます。
STEP2: さらに「アクアサイクロン™」を使って、車両下部からの放水で消火活動を進めます。
STEP3: 車両を含む周辺を保護するため、ブランケット「FIRE ISOLATOR」を使用します。
STEP4: 簡易型止水板「Flood Guard」によって、車両を水没させてLIBを失活させることができます。
5. まとめ
「アクアサイクロン™」は、EV火災に特化した新しい消火ノズルとして、消防士の安全を確保しつつ、効率的な消火活動を実現します。モリタはこれからも、より安全で豊かな未来を目指し、持続可能な技術革新に挑戦していきます。
【お問合せ先】
株式会社モリタホールディングスグループ戦略本部経営企画室広報課
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