2025年5月14日、石川県の輪島高校で、能登半島の復興を願う合唱曲『フェニックス』のお披露目が行われました。この日、約300人の参加者が集まり、全国から寄せられた合唱動画と共に力強い歌声が体育館に広がりました。今回のイベントは、能登地区の復興を支援する「フェニックス・キャラバン」プロジェクトの第一歩となります。
『フェニックス』は、作曲家の弓削田健介さんが手掛けた作品で、彼は全国を旅しながら作曲を行う「放浪の合唱作曲家」として知られています。弓削田さんは昨年9月から能登の小中高校を訪問し、各校から集めた「復興への想い」を基にこの合唱曲を完成させました。
イベントでは、全国30団体からの応援合唱ビデオも上映され、観客は涙と笑顔であふれました。「何度でも立ち上がる」という力強いメッセージが響く中、参加者は共に歌い、復興への願いを込めました。特に、地震で家族を失った警察官の大間圭介さんが招かれ、子どもたちの歌声に耳を傾け、感動の瞬間を共有しました。大間さんは「歌を歌ってくれることで元気をもらえた」と語り、会場全体に感謝の気持ちが広がりました。
小学生の中野里菜さんも児童代表として、合唱の意義を力強く発表しました。「フェニックスは伝説の鳥であり、困難を克服することを象徴しています。この合唱を通じて、輪島の未来を想像し、心を一つにして頑張ろうと思っています」と語り、参加した高生たちも「一人じゃないというメッセージを伝えられて貴重な体験でした」とコメントしました。
お披露目の様子は石川県の各メディアに取り上げられ、多くの人々に注目されました。イベントの中で全国各地から寄せられた応援メッセージや合唱ビデオもスクリーンで放映され、生徒たちはその映像に合わせて共に歌うことで、全国の支援の輪を感じることができました。また、茨城県つくば市とのオンライン交流も行われ、離れた地からの想いがリアルタイムで繋がる瞬間が生まれました。
『フェニックス』のお披露目は、弓削田さんがキャンピングカーで全国を巡る「フェニックス・キャラバン」の始まりでもあります。このプロジェクトでは、全国各地の学校や合唱団を訪れ、能登地区への応援メッセージや合唱ビデオを集めながら、歌を通じて全国の人々とつなげていきます。弓削田さんは「この合唱が、被災地の子どもたちに勇気や希望を与える存在になることを願っています」との思いを語っています。
復興を目指す歌『フェニックス』は、全国の子どもたちの心を結びつけていく力を持っており、各地から寄せられる応援と歌声が能登に届けられ、再び歌い継がれていくことでしょう。その想いが形となり、全国に広がっていくことが期待されます。能登の希望の歌『フェニックス』が全国の仲間たちと共に照らす未来に、今後も注目していきたいと思います。