AIが変えるブライダル接客モデルの最前線
日本のブライダル業界は、顧客との対話が商談成功のカギを握るため、接客の質が非常に重要です。このたび、Umee Technologies(ユミー)と株式会社エスクリが連携し、AIを活用した新しい接客モデルを導入しました。具体的には、ユミーの開発した話術AI『Front Agent』をエスクリの一部店舗にて実証実験を行った結果、わずか1ヶ月で顧客との会話の質が向上し、期待以上の成果が現れています。
導入の背景
ブライダルプランナーの接客スキルは、経験に大きく依存しています。特にベテランのプランナーが持つノウハウやスキルをどのように若手に伝承していくかは、業界全体の課題とも言えるでしょう。そこで、ユミーのAIを導入し、その効果を測定することになりました。2024年10月末から、実際の店舗にて『Front Agent』の運用が開始され、約3ヶ月間に渡る取り組みが始まりました。
このAIは、商談や顧客対応をリアルタイムで解析し、どのように会話が進んでいるのか、さらには相手の心情を掴むサポートを行います。これにより、営業担当者は効果的なトークを習得しやすくなり、商談の成功率を高めることができるのです。
実証実験の成果
2025年2月からは、具体的な商談改善に向けたフィードバックの実施が始まりました。複数の結婚式場において、本部と店舗の現場マネージャー、さらには現場メンバーが『Front Agent』の解析データを基に実際の商談を振り返ります。これにより、プランナーのトークを可視化し、即座に改善点をフィードバック。ある結婚式場では、初回からわずか1週間以内で会話傾向に変化が見られ、実際に受注の可能性も向上したという報告があります。目に見える成果が出てきたことで、今後の受注率改善にも大きな期待が寄せられています。
今後の展望
実証実験を通じて得られたポジティブな結果を受け、エスクリでは引き続き各店舗への『Front Agent』の導入を進めていく計画です。さらに、現在はAIを導入していない店舗でも展開を検討中とのこと。また、春には新入社員が入社予定であり、早期に効果的な接客ができるように育成プログラムへの活用も視野に入れています。
このように、AIを活用した接客改善は、ブライダル業界において新たなスタンダードになる可能性があります。そして、業界全体のクオリティを向上させる鍵ともなりそうです。今後もユミーとエスクリの取り組みに注目していきたいと思います。