岡山大学発ベンチャーが未来X DEMO DAYで受賞
2025年3月4日、岡山大学発のベンチャー企業である株式会社ハイドロヴィーナスが、三井住友フィナンシャルグループ主催の「未来X DEMO DAY 2025」で部門別最優秀賞を含む4つの賞を受賞しました。これにより、同社の技術力や事業の将来性が高く評価されたことが証明されました。
未来Xとは
「未来X」というプログラムは、2015年に始まり、2021年に再構築されたアクセラレーションプログラムです。スタートアップや事業会社、ベンチャーキャピタル、さらには公的機関など、様々なプレイヤーが参加し、新しい事業を生み出すためのエコシステムを構築しています。ハイドロヴィーナスはこのプログラムに参加し、様々な支援を受けながら成長を遂げてきました。
ハイドロヴィーナスの技術
同社の中核技術は、岡山大学の比江島慎二教授によって発明された水力発電機「Hydro-VENUS」です。この発電機は半円柱型の振り子を水流で振動させる独自の方式で発電を行い、従来のプロペラ方式と比較して製造コストを抑え、維持管理を容易にしています。この技術は、河川や水路ネットワークにおける持続可能なエネルギー供給に貢献することを目指しています。
さらに、同社が提供する治水DXソリューションでは、AIを活用したセンシング通信ネットワークを構築し、日常の管理や氾濫予測に役立てています。これにより、電源不足で困難だった地域にも新たな価値をもたらし、防災対策においても重要な役割を果たしています。
DEMO DAYの様子
DEMO DAYでは、上田剛慈代表取締役が登壇し、同社のビジョンや技術、事業についてのプレゼンテーションを行いました。審査の結果、ハイドロヴィーナスの技術が高く評価されたため、部門別最優秀賞や他の賞を受賞するに至りました。受賞を機に、同社は事業拡大に向けたさらなる支援を受ける権利と、資金支援を獲得しました。
上田代表取締役は、受賞について「このような評価をいただけたことを大変光栄に思います。持続可能なエネルギーと災害リスク低減を目指し、より多くの人々に貢献できる技術を提供していきます。今回の受賞を契機に、さらなる技術開発と社会実装を加速させ、多くの企業や自治体と協力したい」と語りました。
岡山大学の役割
岡山大学は今後もスタートアップ支援を通じて地域や国際社会におけるイノベーションの創出に努めていく方針です。特に、スタートアップ・ベンチャー創出本部が窓口となり、技術シーズやビジネスプランの事業化に向けたアドバイスや経営の相談を行っています。起業を考えている教職員や学生にとって、心強いサポートを提供する場となっています。
今後も、地域中核・特色ある研究大学としての岡山大学と、革新的な技術を持つ株式会社ハイドロヴィーナスの取り組みにぜひご期待ください。