伝説のカントリー音楽家ウェイロン・ジェニングスが帰ってくる
2025年10月3日、カントリー・ミュージックの巨星、ウェイロン・ジェニングスの未発表曲が収められたアルバム『Songbird』がリリースされることが発表され、音楽ファンの間に大きな期待が寄せられています。このアルバムは、彼の息子であり、グラミー賞を受賞したアーティスト、シューター・ジェニングスが手掛けており、父の音楽的遺産を新たな形で世に送り出すプロジェクトの第一弾となります。
『Songbird』プロジェクトの背景
『Songbird』は、ウェイロン・ジェニングスの未発表音源を集めた三部作の第1弾です。このアルバムには、1973年から1984年にかけて制作された音源が収録されています。長年のドラマーであり共同プロデューサーのリッチー・オルブライトとの共同作業のもと、ウェイロンの名曲をさらに引き立てるために各種スタジオで録音された音源が集められています。アルバムには、彼のバックバンド「ザ・ウェイラーズ」のメンバーや、特別ゲストとしてトニー・ジョー・ホワイト、ジェシ・コルターも参加しています。
シューター・ジェニングスは、このアルバムの制作にあたり、ハリウッドの名スタジオで編集とミックスを担当しました。そして、アルバムのリリースを記念して、6月15日にカリフォルニア州ウェスト・ハリウッドのザ・ヴァイパー・ルームで行われたイベントで正式発表されました。このイベントでは、ウェイロンの名曲を披露するために、シューターとウェイラーズのメンバーが一堂に会しました。
シングル「Songbird」
アルバムのタイトル曲であるシングル「Songbird」は、フリートウッド・マックの名曲をウェイロンが独自のスタイルでアレンジしたものです。これにより、アルバムに新たな風を吹き込むと同時に、彼の音楽が時代を超えて生き続けることを証明しています。シューターはこのプロジェクトについて、「父の音楽が帰ってくる瞬間を信じてほしい」と語っています。
ウェイロン・ジェニングスの音楽人生
ウェイロン・ジェニングスは1937年にテキサス州で生まれると、8歳からギターを手にし、14歳でラジオDJとして活躍し始めました。後にバディ・ホリーのバックを務めるなど、その音楽才能は若い頃から注目されていました。彼はナッシュヴィルでのデビュー後、保守的な音楽シーンに疑問を感じ、自らのバンド「ザ・ウェイラーズ」を結成。『レディーズ・ラヴ・アウトローズ』や『ホンキー・トンク・ヒーローズ』といったアルバムで、アウトロー・カントリーのスタイルを確立しました。
1985年には、クリス・クリストファーソン、ウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュとともに「The Highwaymen」として知られるスーパーグループを結成し、音楽界に残る伝説の一部となりました。そして2001年にはカントリーミュージックの殿堂にも名を刻みました。
シューター・ジェニングスの思い
『Songbird』プロジェクトは、シューター・ジェニングスが父親の音楽キャリアを新しい角度から見つめ直すきっかけとなりました。「これらのレコードが私に与えてくれたような喜びを、皆さんにも体感して欲しいと思っています。」とシューターは語ります。未発表音源には、ウェイロンが音楽に懸けた情熱が色濃く残っており、そのエネルギーは今なお生き続けています。
この待望のアルバムがリリースされることで、ウェイロン・ジェニングスの音楽には、新たな息吹とともに過去の名曲が再評価される瞬間が訪れることでしょう。音楽史に名を刻むアーティストの音楽的遺産が、未来の世代に受け継がれていくのが待ち遠しい限りです。