グンゼ株式会社の発祥地、京都府綾部市にあるグンゼ博物苑で、7月25日より「グンゼ浮世絵コレクション特別展」がスタートします。本展のテーマは「時を超え浮世絵に咲く美のかたち」。この特別展では、江戸時代の高い美意識を反映した作品26点を一堂に展示し、その魅力を皆さまにお届けします。
出展作品の中でも特に目を引くのは、喜多川歌麿による美人画の作品が13点です。江戸時代において女性の美しさを見事に捉え、《婦人手業操鏡 機織り》などはその典型とも言えます。この作品には、美しい女性が機を織る姿が描かれており、その姿勢や仕草、さらには衣装のディテールまでもが見事に表現されています。歌麿の作品を通じて、働く女性の強さやその心情が伝わってくるかのようです。
さらに、歌川広重の作品もご紹介します。彼は風景画で有名ですが、今回は女性像も多く展示されます。《東海道五十三図会 袋井》に見られる女性が糸を繰る姿は、広重の繊細な描写が光っています。静岡県袋井市が舞台となったこの作品では、江戸時代の交通の要所を背景に、女性と自然の美が共存する風景が描かれています。
また、特別展では、浮世絵に描かれている女性たちが従事していた養蚕業に関連する作品も多数展示されます。合計9点の作品では、養蚕やその守り神ともいえる猫をテーマにしたものがあり、浮世絵における多様な表現を楽しむことができます。特に、猫は養蚕農家にとって重要な存在で、そのため浮世絵作品にも頻繁に登場します。
この展覧会は、入苑料が無料となっており、誰でも気軽に立ち寄ることができます。また、展示作品を観るだけでなく、実際に体験できるイベントも用意されています。ひとつ目は、江戸時代の糸くり機を使った糸を巻く体験です。この道具を使って、実際に手作業の魅力を感じることができます。二つ目は、展示作品の中にひそむ猫を探す鑑賞体験です。この猫さがしを通じて、家族やお子さまと一緒に楽しむ時間を持つことができるでしょう。
この夏、江戸時代の粋な美を感じられる特別展で、時代を超えた芸術の世界に浸るひとときをお楽しみください。グンゼ博物苑へのアクセスは簡単で、綾部市の美しい自然を背景に、皆さまのご来苑をお待ちしております。会期は8月4日までと限られているため、お見逃しなく。詳細は
こちらでご確認ください。