日本代表ラグビーの未来を担う田中史朗のインタビュー
11月、日本ラグビー代表が欧州遠征で行うテストマッチ4連戦に向け、元日本代表のスクラムハーフ、田中史朗さんにお話をお伺いしました。この重要なシーズンの中で、彼が考える日本代表の現状や今後の展望について詳しく語ってくれました。
日本代表は、10月20日時点で世界ランキング13位に位置しており、南アフリカ、アイルランド、ウェールズ、ジョージアとの対戦が控えています。田中さんは「日本代表は昨年のパシフィックネーションズカップで準優勝を果たすなど、チームとしての力を向上させている」と強調しました。特に、アタックの部分では日本らしいスタイルを発揮し、観る者を楽しませるプレーが続出しています。
ただし、課題も指摘されました。フィジー戦ではディフェンスに不足があり、ターンオーバーの意識を高める必要があるとのこと。「ディフェンスを強化し、どんな場面でもターンオーバーを狙う姿勢が勝利につながる」と田中さんは語ります。
田中さんが特に注目する選手として、フランカー/ナンバーエイトのベン・ガンター選手や、スクラムハーフの藤原忍選手、福田健太選手を挙げました。「藤原、福田両選手のライバル関係がチーム全体に好影響を与えている。特に北村瞬太郎選手が加わったことで、スクラムハーフは誰が出ても安定したパフォーマンスを発揮できる状況になっています」とのことです。
さらに、田中さんはリーチ マイケル選手の存在がチームに与える影響についても触れました。「リーチ選手が戻ってきたことで、チームの士気が高まっています。彼は今後のリーダーシップにおいても大変期待できる選手です」と期待を寄せています。
さて、11月2日(日)に行われる初戦は、南アフリカとの対戦。この試合は日本ラグビーにとって特別な意味を持つ試合であり、15年のワールドカップ以来の歴史的勝利から10年が経つ節目として、さらなる成長を求められる場面です。「今や南アフリカすらも日本と戦うことに恐れをなすほど、日本は成長した」と田中さんは振り返ります。
試合のポイントとしては、まずはディフェンスで相手の攻撃を封じること、そして我慢強く戦う姿勢が重要だと解説します。「特に南アフリカはアタック力が非常に高いので、ディフェンスの一体感を持ち続ければ勝機は見えてくる」と述べました。リーグ戦の舞台として最適なウェンブリー・スタジアムでの試合を迎え、田中さんも期待に胸を膨らませています。
次に控えるアイルランド戦について「チーム戦がしっかりしているので、日本が学ぶべきポイントが多くある」と話し、注意すべき選手としてはSHのジェイミソン・ギブソン=パーク選手に言及しました。また、ウェールズとの対戦では敵地での戦い方を学ぶ機会にもなり、「ウェールズ戦では自分たちの強みを最大限に活かし、勝利を目指したい」と強調しました。
最後に、すべての対戦を通じて日本代表が見せる「超速ラグビー」に注目してほしいと述べています。「タックルやモールでのディフェンスがしっかりしていなければ、勝利は難しい。これこそが世界と戦うための意識づけが必要です」と強い気持ちを示しました。
田中史朗さんの期待と共に、ラグビー日本代表の欧州遠征を見守りましょう。WOWOWでは、これらの試合が放送されるため、ぜひお見逃しなく!