日米の医療特性とカイロプラクティックが交わる未来についての対談
先日、全健会・JCAの顧問でさくら総合病院の院長である小林豊氏と、JCAの海外特別講師でありテキサスカイロプラクティック大学の講師であるラリー・スミスD.C.との対談が行われました。この対談のテーマは「日米の医療とカイロプラクティック」。参加者は日本とアメリカの医療制度の違いや予防医療の考え方、カイロプラクティックの未来について、幅広く意見を交わしました。
1. カイロプラクティックの病院利用
対談の冒頭で小林氏は、「アメリカの病院ではカイロプラクティック科が存在することがあると聞きましたが、実際に集中治療室で施術が行われることはあるのでしょうか?」と質問しました。これに対し、ラリー氏は、「集中治療室でのカイロプラクティック施術は行われていませんが、多くの医師や看護師が個人的にカイロプラクティックを受けており、特に整形外科医の中には好んで利用している人が多いです」と応じました。
小林氏は驚きつつも、「実際には受けているのですね。日本でも病院がカイロプラクティックを取り入れるべきだと思います」と意見を述べ、ラリー氏も「実際にカイロプラクティックを受けることで、脊柱に関連する疾患に対する病院受診率が50%近く減少します。そのため、医療費の削減にもつながる可能性があります」と強調しました。
2. 日本とアメリカの予防医療
次に、予防医療に関する違いについて意見が交わされました。小林氏が「日本では健康診断が一般的で、特に癌の早期発見のための検査が広く行われていますが、アメリカではどのような取り組みがあるのでしょう?」と尋ねると、ラリー氏は「アメリカでは高リスク群に対して大腸内視鏡検査を行う場合がありますし、保険を利用して予防的なCT検査を受けることもあります」と説明しました。
小林氏は日本の国民皆保険制度を比較しつつ、「アメリカの病院はビジネスとして運営されていると聞きます。具体的にはどのように成り立っているのですか?」と質問。ラリー氏は「多くのアメリカの病院は医師以外の経営者が管理することも多く、保険会社が患者の管理に大きな影響を持っています。また、医療費が日本よりも高額であることが、病院経営に影響を与えています」と語りました。
3. カイロプラクティックの未来
対談の後半では、小林氏が「日本におけるカイロプラクティックの発展の道筋はどのようになるとお考えですか?」と尋ねました。ラリー氏は、「アメリカではカイロプラクティックは国家資格として認められていますが、日本ではまだ正式に認可されておらず、一般の認知度も低いのが現状です。これから求められるのは、もっとカイロプラクティックに関する認知を広めるような活動です」と述べ、メディアを通じた情報発信の必要性や、具体的なサービスの提供が重要であると指摘しました。
小林氏は「結局は、会員一人ひとりが成長することで全体の質が向上すると思います。そのためにも、制度や資格の整備に加えて、個々のスキルアップが求められます」と同意し、ラリー氏も「その通りです。未来のカイロプラクティックには多くの可能性があります」と結論付けました。
まとめ
今回の対談を通じて、小林豊病院長が全健会・JCA顧問に就任したことで、日本におけるカイロプラクティックの社会的地位向上に向けた具体的な動きが確認されました。今後もJCAでは医療とカイロプラクティックをつなぐ役割を担いながら、さらなる活動を展開することが期待されます。