循環葬と自然保全
2025-07-29 12:13:05

自然を守りながら葬送の形を変える循環葬®︎の新たな取り組み

循環葬®︎と社寺林の持続的保全



最近、日本景観生態学会で「社寺林の持続的保全と収益化の両立」をテーマにした循環葬®︎RETURN TO NATUREの発表が行われました。この取り組みを監修しているat FOREST株式会社は、森の再生と人々の心のやすらぎを両立させる新しい葬送の形を提案しています。

発表の背景と課題


日本には、敷地内にある寺院が7万以上存在していますが、近年、檀家の減少や人手不足から、その境内にある森林の管理が怠られ、多くの森林が放棄されつつあります。特に、神戸大学の石井弘明教授は、放置された森林を自然に近い状態で保全する手法を探求し、社寺林の問題にも取り組んでいます。循環葬が、こうした放棄された森林の問題に対する解決策として検討され、今回の発表に繋がりました。

日本景観生態学会は、地域計画に科学的根拠を与え、景観生態学を広める目的で活動しているため、こうした発表の場を持つことに意義があります。

研究の成果


循環葬®︎では、事前に森林の植生調査を行い、その森に最適な整備を実施しています。新たに開設が決定した関東初の拠点では、放棄されたヒノキの人工林を自然林へと再生するプロジェクトが進んでいます。手入れのされていないヒノキ林は、長年の放置から枯れ木が多く、構造的に単純化してしまった状況にありました。

それに対し、隣接する照葉樹林はさまざまな樹種が重なり合い、豊かな生態系が広がっていました。その結果、多様度指数はヒノキ林でH'=1.19、照葉樹林でH'=2.74という差が見られました。これは、ヒノキ林ではみられた広葉樹が4種類に対し、照葉樹林では26種類が確認されたことを意味します。このような差異から、ヒノキ林を「埋葬エリア」とし、照葉樹林を「憩いのエリア」として整備し、故人を偲ぶための場を創出することが目指されています。

森の憩いのエリア


訪れる人々が静かに思いを馳せられるように、デッキや遊歩道も設けられています。ヒノキ林では必要な間伐と植樹を行い、憩いのエリアからは移植が必要な木々を埋葬エリアに移植しました。その結果、埋葬エリアの生物多様性も向上し、自然林の復元が進んでいます。

循環葬の意義


循環葬®︎は、死と森の保全を結びつけることで、世代を超えた持続可能な森づくりを実現することが期待されています。この新たなアプローチは、管理放棄された社寺林を自然林へと導き、持続的な森林保全に貢献することが可能です。

今後も石井教授をはじめとした研究チームと連携し、自然の中での森づくりを進め、地域社会に根ざした活動を続けていきます。

at FOREST株式会社と「森に還る研究所」


at FORESTは、循環葬の実績をもとに「森に還る研究所」を設立しました。これは、自然葬がより身近な選択肢となることを目指すための試みです。森林埋葬が地球環境の再生に貢献するよう、さまざまな観点から情報を発信し、知見を広める場として機能しています。

循環葬®︎RETURN TO NATUREのサービス


循環葬®︎RETURN TO NATUREは、「森と生きる・森に還る・森をつくる」をテーマにし、墓標を残さずご遺骨を森に埋葬する新しいスタイルのお墓を提案しています。大阪の能勢妙見山にある再生林を第一拠点に、売上の一部を森林保全に回すことで、森づくりへと貢献しています。

これからも次世代に美しい自然を残す取り組みを強化し、無縁墓の問題解決にも挑みながら、全国展開を進めていきます。

まとめ


循環葬は単なる葬送の形に留まらず、人と自然が共存する未来志向のアプローチです。この取り組みが持つ意義を知ることで、より多くの人々が自然と向き合い、またそれを守る大切さに気づくことが期待されます。皆さんも、新しい葬送の形「RETURN TO NATURE」に注目してみてください。


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